Vol.373 融資を受けやすくする決算対策

配信日:2021年2月10日

配信日:2021年2月10日

 

3月が近づき、そろそろ決算だという会社も
多いのではないでしょうか。

 

今回は、銀行取引を念頭に決算を締める前に
ぜひチェックしてほしいポイントをお伝えします。

 

これまでにも何度かお伝えしていますが、
重要な事なので、ぜひご確認ください。

 

今回の内容は動画もありますので、
動画で見たい方はこちらをご覧ください。

 

一度締めた決算内容は、その後1年間、
御社の成績表として銀行取引や取引先からの与信管理
などの際に大きく影響します。

 

特に融資の審査では、決算書内容の比重は7割、
それ以上とも言われ、非常に重要な判断要素となります。

 

なので、決算の数字の最終確定は、税理士さんに丸投げに
するのではなく、社長自らもしっかりと検討した上で決算を
組むことが重要です。

 

これは、税理士を信用するなということではありません。

 

税理士は税務的な見地で正しい判断をしてくれますが、
必ずしも銀行融資の専門知識があるわけではないので、
社長自らも知識を持って対応すべきだということです。

 

今回お伝えする内容は、チェックポイントとしては
基礎的な部分ですが、とても重要な知識ですので、
ぜひ自社の決算書を確認しながら聞いてください。

 

御社の貸借対照表の資産の部に
「未収入金」や「前渡金」「立替金」「前払費用」
「貸付金」「仮払金」という勘定科目があると思います。

 

これらの勘定科目を銀行や信用保証協会は、
「雑勘定」と呼ぶのですが、この雑勘定の金額が多い
決算書は評価が低くなります。

 

これらの科目があってはダメだということではないのですが、
これらの勘定科目の金額があまりに大きいようだと問題です。

 

これらは、資産の勘定科目ではありますが、
本当に資産として評価してよいのかと資産性を疑われる
科目でして、銀行や信用保証協会はこの雑勘定が嫌いです。

 

特にその中でも「貸付金」は最も嫌われる勘定科目です。

 

これは、会社から外部にお金を貸したというものですが、
融資が事業の為ではなく、社長や関連会社等に流れている
と見られてしまい、問題となります。

 

それと、「未収入金」もチェックしてください。

 

多くの会社には、「売掛金」があると思います。
これは、まだ入金になっていない売上金で、
これから支払ってもらう予定のものです。

 

「未収入金」も、入金する予定だけれどまだ入ってきて
いないというもので、どちらも金銭債権です。

 

この2つは何が違うのかというと、以下の違いがあります。

 

・売掛金:営業活動による金銭債権
・未収入金:それ以外の金銭債権

 

この売掛金と未収入金をあいまいに処理してしまっている
ケースを見かけます。

 

例えば、カード決済した売上金です。

 

お客さんがカードで支払った場合は、
数日後にカード会社から振り込まれます。

 

つまり、これは営業活動で発生した金銭債権ですので、
売掛金ですが、未収入金で計上しているケースがあります。

 

また、FC展開をしている会社さんでは、
加盟店からもらうロイヤリティを未収入金で計上している
という例があったりします。

 

これは、税理士でも、一般的な売掛金と区別するために、
あえて未収入金にしているというケースもあるようです。

 

このような処理をしても、税金に影響があるわけでは
ないので、税務的な見方では、問題ないとも言えます。
しかし、銀行や信用保証協会からの評価という面で言うと、
大きな違いです。

 

未収入金は、銀行や信用保証協会が嫌う雑勘定になるので、
売掛金で計上すべきものを未収入金として計上していると
それだけで単純に評価が落ちてしまうのです。

 

こうしたことは、単純ですが非常に勿体ないことなので、
今後、融資を受ける予定のある会社は、ぜひ確認して
来期もスムーズに融資を受けられるように対策してください。

 

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本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン
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