Vol.372 資金繰りを楽にする融資の見直し

配信日:2021年2月3日

配信日:2021年2月3日

 

最近は、銀行融資のリスケジュールという手続きが
一般的なものとなり、資金繰りが厳しい際に銀行に
リスケを依頼するという会社も多くなりました。

 

しかし、リスケをしてしまうと、その後の新規融資を
受けることが厳しくなりますので、まずはリスケではない
方法で融資の見直しを検討すべきです。

 

例えば、「借換え」という方法があります。

 

シンプルに解説しますと、
例えば、現在10口の融資がある会社が
その10口を借換えて、1口などにまとめて
返済期間を7年や10年の長期間にすることで、
月の返済をぐっと軽減できるケースがあります。

 

現在借りてる融資の残りの返済期間にもよりますが、
月の返済額が半分程度になったり、場合によっては
それ以上に大きく低減できることもあります。

 

もちろん、借金の減りはその分遅くなるのと、
現在借りている融資によっては、まとめられなかったり、
借換えができないなどがありますが、
状況によっては、資金繰りの改善効果が大きいです。

 

また、最近では、短期継続融資(短コロ)を活用して
月の返済額を抑えることも取り組まれます。

 

短期継続融資と借換えを組み合わせることで
さらに大きな効果を期待できます。

 

例えば、モノを仕入れて販売する商売では、
一般的に先に仕入代の支払いがあり、その後に
売上金の入金があります。

 

この出金と入金のタイミングのギャップで生まれる
先払い資金を「経常運転資金」と言います。

 

この経常運転金に対応する借入方法として、
短期借入金を継続的に借り続けて、実質的に
毎月の元金返済を付けない手法を取ることができます。

 

例えば、現在借りている融資の残高が1億円あって、
毎月の返済が約200万円ある会社があるとします。

 

この会社の経常運転資金が5,000万円という場合に、
1億円の借入の内、5千万円を短期継続融資に切り替え、
毎月の返済が発生しないようにし、残りの5千万円を
7年(84回)返済で借り換えることで、毎月の返済を
60万円弱にすることができます。

 

このように、借りてる融資の借り方を見直すことで
月々の返済を大きく減らすことが可能です。

 

これは、リスケジュールをするわけではないので、
正しく対応すれば、銀行からの評価が下がって
新規融資に影響するということもありません。

 

もちろん、こうした手続きへの対応の判断は
現時点の財務状況から金融機関が判断するので、
状況によって対応してくれないこともあり得ます。

 

しかし、こうしたことを知らずに、いきなりリスケを
するなど誤った判断をしてしまうと、御社の今後の
成長の機会を奪ってしまう可能性があります。

 

正しい知識のもと正しい対応することが肝要です。

 

短期継続融資(短コロ)については
こちらの動画でも解説してますのでぜひご覧ください。

 

運転資金はどのくらいの期間で借りるべきか?

 

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本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン
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から記事を一部抜粋したものです。
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