Vol.356 新型コロナ対策資本性劣後ローン

配信日:2020年8月3日

 

今日(8/3)から新型コロナ対策資本性劣後ローンという
融資制度の取り扱いが開始されます。

 

資本性劣後ローンという言葉は、聞き慣れない方も多いと
思いますし、聞いただけでどんなものか分かる方は少ない
と思います。

 

今回は簡単にその内容と利用のメリットについてお伝えします。

 

なるべくわかりやすくお伝えしますので、
ぜひこの機会に内容を知ってください。

 

今回も解説動画がありますので、動画で学びたい方は
こちらをご覧ください。


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話を戻し、まず、資本性劣後ローンの「劣後」というのは、
他の融資よりも返済の優先順位が劣るという意味です。

 

つまり万が一、借りた会社が倒産してしまった場合に
金融機関が債権回収する場合でも他の融資から先に弁済され、
残ったものから回収するので劣後です。
もちろん、残らなければ回収できないということになります。

 

株主の出資金も同じように最後に残った財産からが分配
されますので、資本性劣後ローンも融資でありながら
出資に似てると言えますね。だから資本性です。

 

また、返済は期日一括弁済です。

 

つまり、返済期日まで一切返済をしなくても良いのです。
もし期間20年で借りた場合は、20年間返済せずに使える
ということですので、すごいことですね。

 

これも出資に近いイメージになりますね。
これらのことから、融資だけれど、出資のような性質の
資金だということになります。

 

実際、金融機関の評価も自己資本としてみなされます。
会計上は負債だけれど、評価としては自己資本になります。

 

ということで、資本性があって返済が劣後される融資、
資本性劣後ローンです。

 

この融資を活用するメリットは、大きく2つです。

1.期間一括弁済である。

返済期日までは、利息の支払いのみで元金は返済しなくて
良いので、調達した資金を100%運用することができます。

 

一般的な長期融資は分割弁済なので、借りても少しずつ
使えるお金が減っていくので、借入期間中ずっと資金を
使えるわけではありません。

 

その点、資金の効率性が高いことが大きなメリットです。

 

2.自己資本としてみなされる

先ほども少しお伝えした通り、資本性劣後ローンは負債で
ありながら金融機関からの評価は資本とみなされます。

 

これにより、自己資本比率が向上するなど財務の評価が
向上します。それにより、財務が改善することで民間の
金融機関も融資をしやすくなるという呼び水的な効果も
あります。

 

こうしたメリットがある上に、今回の制度は、さらに、
無担保、無保証人で利用することができます。

 

ただし、そう簡単に借りられる融資ではないです。

 

貸す方からすると大きなリスクの伴う融資ですので、
それなりの会社でなければ対応することができません。

 

コロナ対応の融資制度は、融資審査のハードルが低い傾向に
ありますが、さすがにこの制度は簡単ではないと想像します。

 

資本性劣後ローンは、コロナ以前からありますが、
ハードルが高く、それなりの規模と経営管理のできている
会社でなければ使えませんでした。
今回のコロナ対応も多少はハードルが下がったとしても
それなりのレベルを求めるものと思います。

 

新型コロナ対策資本性劣後ローンの概要は以下の通りです。
(日本政策金融公庫 国民生活事業の内容になります。)

 

【貸付対象】
新型コロナウイルス感染症の影響を受けた、以下のいずれかに該当する事業者

1.J-Startupプログラムに選定された企業又は
中小企業基盤整備機構が出資する投資ファンドから
出資を受けた方

 

2.中小企業再生支援協議会の支援を受けて事業の再生を図る方

 

3.原則として認定経営革新等支援機関の指導を受けて
事業計画を策定

 

【貸付限度】
・7,200万円(別枠)

【貸付期間】
5年1ヶ月、10年、20年(期限一括償還)
※5年を超えれば期限前弁済可能

【貸付利率】
当初3年間1.05%
4年目以降は直近決算の業績に応じて変動
⇒赤字の場合、1.05%
⇒黒字の場合、3.40%(借入期間が5年1か月or10年の場 合)
⇒黒字の場合、4.80%(借入期間が20年の場合)

【その他】
・無担保、無保証人
・法的倒産手続きの開始決定が裁判所によってなされた場合、
全ての債務に劣後する。
・金融機関は資産査定上、自己資本とみなすことができる

 

以上が概要です。
一般的な融資と違って、ちょっと馴染みのない設計で
分かりにくいと思います。特に利率の部分が特殊なので
動画で見て頂く方が分かりやすいかもしれませんね。

 

少しややこしいですが、
うまく活用することで資金繰りを助けてくれます。

 

私の顧問先でもこのコロナ対応のものではないですが、
資本性劣後ローンを活用して事業再生フェーズから抜け出し、
優良企業になった会社があります。

 

ただし、何度も言うようですが、
どんな会社でも使えるわけではなく、経営管理ができてない
会社は返済期日に一括弁済ができない事態になりかねません。

 

しっかりと財務改善、資金繰り管理に取り組める会社が
使うべき制度と言えます。

 

利用のためには、事業計画書が必要となります。
借りた後は、毎期、経営状況の報告が必要になりますので、
借りた後もしっかり管理が必要です。

 

借りるまでは一生懸命やるけど借りた後は管理しないという
会社には不向きですのでそこら辺もしっかり考えてください。

 

以上、ご参考としてください。
それでは、次回も宜しくお願いいたします。

 

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本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン
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から記事を一部抜粋したものです。
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