Vol.355 銀行取引が下手な会社の3つの特徴

配信日:2020年7月29日

配信日:2020年7月29日

 

今回は、銀行取引が下手な会社の特徴についてお伝えします。

 

この内容は、YouTubeでも取り扱いましたので、
動画で見たいという方はこちらをご覧ください!
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中小企業の資金繰りの要は、銀行融資です。

 

銀行からスムーズに、必要なタイミングで必要な金額の
融資を受けられる会社になることは、社長の大事な仕事の一つです。

 

私は、かれこれ15年ほど中小企業の資金繰り支援をしてきて、
たくさんの経営者と接してきましたが、銀行との付き合い方が
上手な会社もあれば、そうでないと感じる会社もあります。

 

このメルマガでは、これまでに上手な銀行取引について
いろいろお伝えしてきていますが、改めて、銀行取引の
上手ではない会社の特徴を3つにまとめてお伝えします。

 

その特徴とは以下の通りです。

1.自社都合のコンタクトしかしない
2.取引金融機関が見合っていない
3.口頭だけでやり取りしている

 

1.自社都合のコンタクトしかしない

これは、お金に困って借りたい時だけ銀行にコンタクトを
取って、借りたら借りっぱなしで、自らその後の業況報告
などを全くしない会社のことを指します。

 

これには2つのNGポイントがあって、
次の2つの点で良い銀行取引と言えません

 

・お金に困ったときにだけ借りる
・借りた後に銀行とコミュニケーションを取っていない

 

お金に困ったときにだけ借りるというのは、
ある意味当たり前のことのように聞こえますが、
正しいようで正しくありません。

 

お金に困った状況になって初めて融資を申し込んでも、
やはり銀行も警戒するのでなかなか思うように借りる
ことができません。

 

最も借りやすい時は、資金繰りに困っていない時です。
つまり借りなくても良い時なのですが、こういう時に
借りておいて返済実績を作っておくと後々の融資申込み
に生きてきます。

 

そして、借りた後は、定期的に試算表を提出して業況報告を
してください。

 

しっかりと自社の情報開示をすることでさらに信頼関係が
強くなり、融資を受けやすい会社になれます。

 

こういうことを一切しない、自社都合のタイミングだけで
銀行取引をしている会社は、良い関係を築けずに資金調達に
苦労しがちです。

 

2.取引金融機関が見合っていない

取引金融機関の選択は、自社の規模やステージに合った
金融機関を選ぶことが大切です。

 

例えば、創業間もない会社や小規模の会社がメガバンクから
融資を受けているケースをよく見かけます。

 

社長にその理由を聞いてみると、
「メガバンクから借りてる方が“箔”が付くから」
と、お答えになる社長が意外と多くいらっしゃいます。

 

しかし、その考えは正しくありません。

 

一般的な感覚では、メガバンクから借りている方が
聞こえが良い面があるのかもしれませんが、
本来意識するべき、安定的な経営をするための資金繰り
対策における銀行取引という意味では間違っています。

 

創業間もない会社や小規模の会社が付き合うべき金融機関は
信用金庫や地方銀行です。

 

メガバンクは大きな会社を相手にすることが得意であり、
小規模会社には極端な話興味ありませんので、融資取引を
する金融機関としてはふさわしいとは言えません。

 

メガバンクは、とてもドライな一面を持っていますので、
もし困った状況になっても手厚い支援を期待することは
難しいです。

 

その点、地銀や信金は地元の企業の支援を使命としているので、
小規模会社であっても一生懸命対応してくれます。

 

3.口頭だけでやり取りしている

これは、非常に多いです。
例えば、創業融資や初めての融資取引のケースではなく、
すでにお付き合いのある銀行とのやり取りでは、その場の
会話の中で口頭で伝え、銀行員がメモをするケースが多いです。

 

もちろん、最終的には融資の申込書を書くのですが、
融資の依頼の際に必要資金の金額やその使い道、必要な理由
などを紙に書いて渡す会社は少ないです。

 

また、事業計画を出す際にも数字を並べた資料は作っても
その計画の概要だったり、その数字の根拠などを文章にして
渡す会社はとても少ないです。

 

単純に面倒くさいからということが多いですが、
書面で渡すことはとても大事なことです。
融資の実行希望日も必ず明記しておくべきです。

 

その理由は、担当者は社長の話の全てをメモすることは
できず、話の内容を覚えらていられないからです。

 

社長がいくら話がうまく、滑らかに説明をしたとしても、
その話を完璧に記憶することは、ほぼ不可能です。

 

その担当者が稟議書にまとめる頃には半分も覚えていないでしょう。

 

エビングハウスの忘却曲線によると
人間が1時間後に覚えているのは44%だそうです。
一日経つと34%だそうです。

 

融資の銀行内での手続きは、担当者が稟議書にまとめて
それをその上司、融資の審査部門、支店長と回っていく
わけですが、担当者以外の方たちは、社長から直接話を
聞いていないので、その稟議書の内容しか伝わりません。

 

その稟議書に社長が一生懸命説明したことの30~40%しか
反映されていなかったらどうでしょう?

 

書面で伝えれば、担当者は後から見返すことで
内容を思い出せますし、稟議書にそのまま添付すれば、
書面に書いたことは全て支店長まで伝わります。

 

これだけでも全然結果が変わってきます。

 

銀行とのやり取りは口頭だけでするのではなく、
書面を提出することがポイントです。

 

以上、ご参考としてください。
それでは、次回も宜しくお願いいたします。

 

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本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン
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から記事を一部抜粋したものです。
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