Vol.386 使いやすくなった新型コロナ対策資本性劣後ローン

配信日:2021年6月16日

昨年(2020年)の8月から取り扱いが始まっており、このメルマガでもご紹介したことのある新型コロナ対策資本性劣後ローンを覚えていますか?

この制度が、要件緩和されて、利用しやすくなったので改めてご案内いたします。

先日、公庫の方とお話していた際に、この制度に積極的に取り組んでいるとの話でしたので、活用のメリットの出る会社さんは検討されると良いと思います。

改めて、資本性劣後ローンについて簡単に説明しますと「劣後」というのは、他の融資よりも返済の優先順位が劣るという意味です。

つまり万が一、借りた会社が倒産してしまった場合でも他の融資から先に弁済され、残ったものから回収するので劣後です。残らなければ回収できません。

株主の出資金も同じように最後に残った財産からが分配されますので、この資本性劣後ローンも融資でありながら出資に似てると言えますね。だから資本性です。

金融機関の評価としても、みなし資本として評価する為、負債なのですが、評価上は資本として見てくれます。

これらのことから、融資だけれど出資のような性質なので、資本性ローンです。
そして、他の融資に返済が劣後するので資本性劣後ローン。

さらに、新型コロナ対策資本性劣後ローンは、無担保、無保証人で利用することができます。

本来、資本性劣後ローンは、金融機関にとって大きなリスクの伴う融資ですので、それなりの会社でなければ対応することができない融資ではありますが、新型コロナ対策資本性劣後ローンは、ハードルが低い傾向にあります。

この制度を利用する要件として、

1.J-Startupプログラムに選定された方または独立行政法人中小企業基盤整備機構が出資する投資事業有限責任組合から出資を受けた方

2.中小企業再生支援協議会の支援を受けて事業の再生を行う方または独立行政法人中小企業基盤整備機構が出資する投資事業有限責任組合の関与のもとで事業の再生を行う方

3.上記1および2に該当しない方であって、事業計画書を策定し、民間金融機関等による支援を受けられる等の支援体制が構築されている方

という要件があるのですが、多くの会社は3の要件で活用しています。

しかし、民間金融機関による協調支援がネックとなり、活用できない会社も多くあったようです。
私のご支援のケースでは、そう多くないですが、全体的にはそうしたケースが多かったようです。

このボトルネックが、要件緩和によりなくなり、認定支援機関の支援を受けて事業計画を策定する会社は、銀行等の協調支援がなくても利用できるようになったのです。

融資上限額は、国民生活事業は7,200万円です。
実際には、5,000万円くらいがアッパーです。

中小企業事業は、さらに7月1日よりこれまでの7億2千万円から10億円に引き上げられます。
国民生活事業は、変わらず7,200万円のようです。

資本性劣後ローンは上手に活用することで銀行の評価を上げられる事、資金繰りが楽になることで会社によっては利用価値が高い制度です。

私の顧問先でもこのコロナ対応のものではないですが、資本性劣後ローンを活用して事業再生フェーズから抜け出し、優良企業になった会社があります。

ただし、経営管理ができてない会社は返済期日に一括弁済ができない事態になりかねませんので、きちんと経営管理が出来ていることが利用の前提に
なると言えるでしょう。

資本性劣後ローンの効果と活用のポイントについては、動画もありますので、こちらもご参考としてください。

この動画の収録は2020年11月ですので、上記の民間金融機関の協調支援が必要な時に撮っていますので、そこだけご注意ください。現在は、協調支援がなくとも利用可能です。

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本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン『起業家・経営者のための「使える情報」マガジン』から記事を一部抜粋したものです。
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