Vol.364 売掛先の倒産によるピンチへの備え

配信日:2020年11月11日

配信日:2020年11月11日

 

現在、コロナで多くの企業が厳しい経営環境にありますが、
今後、取引先が倒産してしまって売掛金が回収できない
という事態も発生するかもしれません。

 

最悪のケースでは、その影響で、自社の資金繰りも破綻し、
連鎖倒産ということもあり得ます。

 

どんなに健全な会社でも取引先の倒産という事態は
いつ起こるかわかりません。

 

せっかくコロナに負けずに頑張っている中、
取引先の倒産によって、一気に窮地に追い込まれて
しまっては大変です。

 

そういう事態に備えて「経営セーフティ共済」に加入して
いると役立ちますので、ぜひ知っておいてください。

 

ただ、加入してすぐに使えるわけではないので、
早めに対応することが大事です。

「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)」は、
取引先の倒産という不測の事態に直面した中小企業に
迅速に資金を貸出してくれる共済制度です。

 

そういう場合は、銀行に頼れば良いと考える方もいるかも
しれませんが、連鎖倒産のピンチの状況ですと銀行も慎重に
なって対応してくれないということもあり得ますので、
やはり経営セーフティ共済に加入していると安心です。

 

毎月の掛金は、5千円から20万円までの範囲内で選べ、
加入後、掛金の金額を変更することもできます。

 

掛金は、総額が800万円になるまで積み立てることができ、
法人であれば税法上損金に、個人事業者であれば必要経費に
算入できます。

 

この掛金は、掛け捨てではありません。
40カ月以上納めている場合は、解約した時に掛金が
全額戻ってきます。
※加入期間が12か月未満の場合は掛け捨てになってしまいます。

 

解約時には掛金のすべて戻ってくるということは、
貯金しているようなものですが、その掛金は経費になるので
節税策としても有名なので、税理士さんから節税策として
教えてもらったことがある方もいるかもしれませんね。

 

この制度は、節税にも有効ですが、
本来の目的の連鎖倒産防止の観点から、
中小企業さんは加入しておくことをお勧めします。

 

特に支払手形を切っている会社は、万が一取引先の倒産で
自社の資金繰りが悪化して不渡りを出してしまったなんて
ことになったら大変ですので、必須だと言えます。

 

注意ポイントとしては、
共済加入後6か月未満に取引先が倒産した場合は、
借入ができませんので、早めに対応しておくことが必要です。

 

貸付限度額は、掛金総額の10倍か、被害額、回収が困難
となった売掛債権の額のいずれか少ない額となります。

 

ざっくりとしたイメージで言うと、その時点で掛金の積立が
100万円であれば、その10倍の1,000万円以内で、回収困難な
売掛金相当額の貸付けを受けられるということです。

 

ただし、積立できる金額は800万円までですので、
貸付の上限もその10倍の8,000万円となります。

 

この借入は無担保・無保証人にて借りることができて
利息も無利子で借りれます。

 

ただし、貸付けを受けた金額の10分の1に相当する額が
掛金総額から控除されますので、まったくのノーコスト
ということではありません。

 

経営セーフティ共済の加入の申込は、取引銀行の窓口や
商工会議所などでできます。

 

ぜひ、万が一に備えて加入を検討されると良いでしょう。
それでは、宜しくお願いいたします。

 

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本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン
『起業家・経営者のための「使える情報」マガジン』
から記事を一部抜粋したものです。
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