Vol.333 消費税増税で資金繰りが良くなる?

配信日:2019年12月3日

配信日:2019年12月3日

 

10月より消費税が10%に引き上げられ、様々な影響が
出ていると思いますが、特に今回は軽減税率の導入により、
8%や10%のものが混在し、経理の現場は、事務効率が落ちて
かなり大変そうです。

 

慣れてくればいつもの様子に戻ってくるのでしょうが、
まだまだ混乱しているところが多いようです。
税理士さんもその対応で大変だと聞いています。

 

例えば、飲食業は、食材の仕入に対する消費税は8%で
店内飲食に対する消費税は10%を預かることになるので、
去年よりも消費税の預かりが多くなります。
※材料仕入にも8%と10%のものが混在します。

 

預かり額が多くなるので、資金繰りが良くなります。

 

しかしそれは、ただ預かっている状態であって自社の資金
ではないので、別に管理して納税に備えなければなりません。

 

それを忘れて使ってしまうと、納税の際に慌てることに
なりますので、十分お気を付けください。

 

資金繰り管理をしていれば、そういったことは起きませんが、
いわゆる、どんぶり勘定で管理していると大変なことに
なってしまいます。

 

事業者にとって、消費税が増える事は、
一時的に預かる消費税と支払う消費税が増えるだけで、
最終的には、その差額を納税することとなり、損も得も
ないのですが、管理が不十分ですと勘違いしてしまいます。

 

特に次回の決算の消費税の支払いは、いつもより納税額が
大きくなる会社が多いはずです。

 

例えば、9月決算の会社さんで、この11月の確定消費税額が
300万円だった場合は、今期の消費税の中間納付額は150万円
となると思います。

 

これは、消費税率8%時代の実績を基に計算されたものです。
ところが、今後預かる消費税は10%や8%です。

 

もし、業績に大きな動きがなくても、この税率の差の分、
次回の納付額はいつもの感覚よりも多い金額になるはずです。

 

このことを忘れて、昨年並みの税額で資金繰りを考えて
いると、顧問税理士さんから確定した数字を聞かされて
大慌てすることとなりますので、十分に気を付けて下さい。

 

前回の5%から8%に上がった際にも、この点について
このメルマガではお伝えしましたが、納税の時期になって
慌てる会社さんがいらっしゃったので、ぜひお忘れなく!

 

資金繰り管理をしっかりするとともに、
顧問税理士さんとコミュニケーションを取り、
自社の数字の把握をされることをお勧めします。

 

それでは、次回もよろしくお願い致します。

 

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本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン
『起業家・経営者のための「使える情報」マガジン』
から記事を一部抜粋したものです。
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