配信日:2019年8月7日
配信日:2019年8月7日
初めての起業で会社設立するケースや2社目の会社を設立するなど、
会社を新規設立するというシーンは結構多くあります。
会社を設立するのは、ビジネスをする為なので、当然に必要となってくるのが、
売上金の入金や仕入代や給与などの経費などを支払うための銀行口座です。
銀行口座がなければ、何も始められません。
ところが、ここ数年、新設法人の銀行口座の開設のハードルはとても
高くなっています。
その理由は、振り込め詐欺やマネーロンダリングなどを防止するためで、
口座開設の際に厳しく審査するからなのですが、想像以上に厳しいものと
なっています。
2社目、3社目の設立で、既存の法人の取引銀行で口座開設する場合は、
大きな問題にならないと思いますが、既存の法人で取引のない銀行で
口座開設したい場合や、初めての会社設立の場合などは、想像以上に
苦戦するケースが散見されます。
特に、経営コンサルティングなど、客観的に何をやる会社なのかはっきりと
しないような業種は厳しい傾向にあります。
飲食店や小売店のように所在地もはっきりしていて、事業の実態を判断
しやすい業種は、比較的良いのですが、バーチャルオフィスと携帯電話だけで
起業できるようなビジネスは特に厳しいです。
実際、個人事業として10年以上のキャリアがあるコンサルタントの方でも
法人成りした際に新設法人として口座開設をしようとしたら謝絶された
というケースもあります。
また、個人事業時代に利用(融資取引はない)していたメガバンクで新設法人の
口座開設手続きをした方も謝絶されたという方がいました。
一般的に、新設法人が開設しやすいのは、メガバンクよりも地銀や信金と
言われており、特にネット銀行はハードルが低いと言われています。
融資を受ける予定がなく、手数料を安く抑えたいと考える場合は、
ネット銀行はとても便利なので、メガや地銀よりも利用価値は高いと思います。
しかし、ハードルが低いと言われているネット銀行でも謝絶されるケースは
意外とあり、つい先日も、楽天銀行から謝絶されてしまった会社がありました。
同時にジャパンネット銀行にも申込んでおり、こちらは開設できたので
良かったのですが、ネット銀行だから大丈夫ということでもありません。
また、断られないにしても、口座開設までに時間がかかることが多く、
数週間~1ヶ月近くかかるので、新設法人を設立する際は気を付けてください。
口座がないために、せっかく進んでいた商談がタイミングを逸して
破談となってしまった。ということは普通にあり得ることです。
よりスムーズに手続きを済ませるための工夫として、信用を得られやすい
状態にしたり、同時に複数の銀行に口座開設の手続きをするなど、
対策を取って手続きをすることをお勧めします。
私自身が会社の口座を開設した際には、メガバンクでも口座開設出来ましたが、
申込の際には、窓口に行って、自社のビジネスの説明や行政書士事務所の実績
などを示して信用を得られるように窓口でアピールしたのを覚えています。
私は利用していませんが、ゆうちょ銀行は比較的開設しやすいという話をよく聞くので、
まず、ゆうちょ銀行で作って実績が出来た後に銀行や信金で口座開設するという
流れでも良いでしょう。
ただし、ゆうちょ銀行は、預け入れの金額に上限があり
「通常貯金」と「定期・定額貯金」それぞれ1300万円まで、
合計で2600万円となりますので、事業が大きい場合は使い勝手が
悪いかもしれません。
ちなみに、新規会社設立と共に融資を受ける場合であれば、
融資が通れば、銀行口座も当然作れるので、口座開設に困ることは
ないでしょう。今回の話は、口座開設だけをしたい場合のお話です。
ただし、日本政策金融公庫から融資を受ける場合は、公庫には預金機能が
ない為、融資金を振込んでもらう口座が必要となるので、口座開設で困る
ことがあります。
いずれにしても、銀行口座は、会社設立後すぐ手続きをしておくことが
大切です。のんびりしていると初動に影響します。
ご参考としてください。
それでは、次回もよろしくお願い致します。
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本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン『起業家・経営者のための「使える情報」マガジン』
から記事を一部抜粋したものです。
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