配信日:2019年7月23日
配信日:2019年7月23日
前回、経常運転資金に対応する借入を短期継続融資にすることで、
毎月の返済額を抑えることができ、資金繰りを安定させることが
出来るというお話をお伝えしました。
今日は、経常運転資金についてお伝えしたいと思います。
「経常運転資金」の計算式は、
【(売掛金+受取手形+棚卸資産)-(買掛金+支払手形)】でしたね。
念のため補足しますと、決算書の数字からこの計算をする場合に
焦げ付いた売掛金や不良在庫等がある場合は、それを除いて計算しなければ
正しい経常運転資金は計算できません。
まずは、実態の数字から正しい自社の経常運転金を計算しましょう。
経常運転資金は、商取引における入金サイトと出金サイトの差によって
生まれるもので、赤字でも黒字でも発生する運転資金です。
この金額が大きいほど、銀行融資に頼らなければならない金額が増え、
結果的に支払利息や信用保証料などの金融コストも増えます。
なので、経常運転資金が発生しないように
経営を見直すことは、とても重要な取り組みです。
売上金の入金と仕入代の支払いのタイミングが入金の方が先に到来すれば
入ってきたお金で支払えるので、借りずに回せるという事になります。
例えば、小売業や卸売業であれば、先に注文を受けてお代を頂いてから
発注して販売するということができれば、仕入代の先払いは発生しないので、
運転資金は必要ないということになります。
こう書けば単純で簡単な事に思えますが、
実際にそれをすることはとても難しいことではあります。
しかし、ハナから無理だとあきらめてトライしなければ、
いつまでたっても資金繰りは改善されません。
サイトを逆転させたり、サイト差をなくすほどまでとは言わずとも、
少しでもサイト差を短縮する努力をすることで大きな効果を生みます。
例えば、商談の際に、売上額や利益額ばかりに意識を向けるのではなく、
入金の条件、支払いの条件にも意識を向けて交渉することで改善できます。
また、製造業であれば、製造工程の短縮努力によって資金が在庫である状態を
短くすることができ、経常運転資金を減らすことができます。
世の中には、入金と出金のタイミングに苦しみ、売上は好調に
伸びている一方で、資金繰りがどんどん厳しくなってしまっている
という会社は意外と多くあります。
それでも、銀行から借りられている間は良いのですが、
最悪の場合は、与信が付いて来ずに黒字倒産と言うこともあります。
入金と出金の時期を意識して経営することで解決できる部分もあります。
つまり資金繰りを意識した経営です。
ぜひ参考としてみて下さい。
それでは、次回もよろしくお願い致します。
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本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン『起業家・経営者のための「使える情報」マガジン』
から記事を一部抜粋したものです。
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