Vol.298 事業承継補助金

配信日:2018年7月23日

配信日:2018年7月23日

 

今月3日(7/3)より事業承継補助金の公募が始まっています。

 

「事業再編・事業統合支援型」と「後継者承継支援型~経営者交代タイプ~」です。

 

「後継者承継支援型~経営者交代タイプ~」については、今年の4/27~6/8に
1次公募があり、先日採択結果の発表がありました。

 

結果は、481件の申請に対して374件の採択。約78%という驚異的な採択率でした。
ちなみに、モノづくり補助金の採択結果の公表もありましたが、こちらは55%と
やはり高い採択率でした。

 

利用できる会社さんは積極的に利用の検討をされると良いでしょう。

 

今回の事業承継補助金の公募期間は8月17日までと期日が迫ってきています。
その間にお盆休みもありますので、かなりタイトなスケジュールです。

 

名称が「事業再編・事業統合支援型」や「後継者承継支援型」と、
なんだか小難しい名前で内容が分りにくいので、簡単に説明ます。

 

●「事業再編・事業統合支援型」

事業再編、事業統合を契機として経営革新等や事業転換を行う中小企業者に対して、
その新たな取組にかかる経費の一部を補助するものです。
M&Aタイプと呼ばれ、合併や株式譲渡、事業譲渡、株式交換、会社分割などの
手法により承継するケースで活用できます。

 

補助金額の上限は、経営革新を行う場合 最大600万円です。
但し、事業所の廃止や既存事業の廃止・集約を伴う場合、廃業費用として
最大600万円上乗せがありますので、併せて最大1200万円になります。
補助率は 採択上位が2/3、それ以外が1/2になります。

 

例えば、業績好調の製造業A社と業績不振で後継者のいない製造業B社が
合併により統合し、A社がB社の事業の一部を引き継ぐ計画があるとします。

 

その際に、B社の工場の設備を刷新し、生産性を向上させる。
B社のいくつかの事業のうち、不採算事業を撤退し、A社の事業との相乗効果を
期待できる分野に集中投資をすることで、事業活性化させていくという取り組みを
描いている場合、事業承継補助金を利用すると効果的です。

 

この場合、事業承継を契機とした新設備導入にかかる費用に最大600万円の補助金。
B社の既存事業の撤退に掛かる費用に最大600万円の補助金。
合計で最大1200万円の補助金を受けられるという事になります。
※中小企業庁の資料にある例を参考に書いています。

 

●「後継者承継支援型」

事業承継(事業再編、事業統合を除く)を契機として経営革新等や事業転換を行う
中小企業者に対して、その新たな取組にかかる経費の一部を補助するものです。
経営者交代タイプと呼ばれ、いわゆる前述のM&Aによる承継ではなく、
息子へ承継するケースや、ナンバー2の社員に承継するケースなどが代表例です。

 

補助金額の上限は、経営革新を行う場合 最大200万円です。
但し、事業所の廃止や既存事業の廃止・集約を伴う場合、廃業費用として
最大300万円上乗せがありますので、併せて最大500万円になります。
補助率は、1/2、個人事業主を含む小規模企業者は2/3です。

 

例えば、競合の増加で業績低迷している複数の店舗を持つ魚屋さんが
起死回生を図ろうと店舗を改装したいと考えているけれども、
改装費用が捻出できず、経営改善が進まない為に事業承継もできない。
といった状況にあったとします。

 

そこで、後継者による新たな取り組みとして、店舗改装と不採算店の撤退。
さらに、これまでの仕入れルートを活かした新たな鮮魚を売りにした創作料理店
という新業態を展開する。といった計画を描いたとしたら、事業承継補助金を
最大限活用することができます。

 

この場合、新業態の出店に関する費用に補助金最大200万円。
不採算店の撤退、既存店の統合に関する費用に最大300万円。
合計で最大500万円の補助金を受けられるという事になります。
※中小企業庁の資料にある例を参考に書いています。

 

このように事業承継をきっかけに事業転換をするなど新しい取り組みを
考えている場合に活用すると費用の一部を補助してもらえるので、
資金繰り的にも助かりますね。

 

但し、補助金は後払いですので、立替資金が必要になります。
自己資金では補えない場合は、短期融資で補助金が出るまでの間を繋ぎます。

 

以上、ご参考としてください。

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本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン『起業家・経営者のための「使える情報」マガジン』
から記事を一部抜粋したものです。
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