配信日:2017年10月17日
配信日:2017年10月17日
TBSの日曜劇場にて「陸王」というドラマがスタートしましたね。
「半沢直樹」や「下町ロケット」などで有名な池井戸潤さん原作のドラマです。
今回の物語は、創業100年の老舗足袋メーカーが時代の流れで業績が
落ち込む中、起死回生のプロジェクトとして、足袋製造の技術力を生かした
ランニングシューズの開発という新規事業に取り組む物語です。
中小企業が頑張って事業を成功させ、憎まれ役の銀行や大企業に
ぎゃふんと言わせるというサクセスストーリーですが、私はこういった
わかりやすい展開のドラマが好きです。
また、事業再生や事業承継といった私の仕事的にも興味深いので、
これから毎週見ようと思っています。
それにしても、相変わらずと言いますか、
銀行の憎たらしさがとても際立っています。(笑)
社長に向かってあれほどの悪態をつく銀行員は、最近では多分いないのでは
ないかと思います。これまでに大勢の銀行員さんとお会いしてきましたが、
あそこまで嫌な銀行員を私は見たことないですね。
ドラマとしては、あのくらいやってくれないと盛り上がらないわけですが。^^;
新規事業にかかる設備資金や運転資金の融資申込に対して、実績がないという
理由で断るシーンがありましたが、いかにも銀行らしい態度であり、
新規事業に実績を求めるとは、とてもナンセンスな話ですが、銀行の立場としては、
ある意味、当然と言えば、当然なのでしょう。
しかし、昨今、よく話題にあがる「事業性評価融資」という観点は、
まさに、このようなケースにおいて、発揮すべき評価方法です。
「事業性評価融資」については、このメルマガでも取り上げたことがあるので、
ご存知の方も多いかと思います。
簡単におさらいしますと、これまでの融資の審査は、決算書等の財務資料からの
定量評価中心でした。これは、過去の実績に基づいた数字を評価するものです。
一方の事業性評価とは、融資先企業のビジネスモデル、将来性といった数字に
表れない定性部分の評価を的確に行い、金融支援を行っていくというものです。
現在の金融庁は、地域金融機関(地銀や信金)がその地域の中小企業との
リレーションシップを高め、取引先中小企業の実力や成長力を的確に見極めて
支援を行っていくことを促進しています。
この考え方には、私も賛同しますし、是非そうなっていくと良いなと思いますが、
中小企業として、リレーションシップを高めるという事に対して、銀行の行動を
待っていては、いつまでたっても達成されません。
銀行員は、多くの取引先を抱えていますので、個々の会社の内容について
ほとんど理解していません。理解しようとしないのではなく、しきれないのです。
そこで、重要なのは、やはりこちらからどんどん情報開示をしていき、
銀行が自社をしっかり理解できるように行動することです。
多くの中小企業がこのような行動をしていませんが、それをするだけで
銀行との関係性は向上し、事業性評価融資の実現にもつながることでしょう。
これからの銀行取引は、このような事を十分に認識して
自ら行動していくことが極めて重要になっていきます。
ぜひ、ご参考としてください!
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本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン『起業家・経営者のための「使える情報」マガジン』
から記事を一部抜粋したものです。
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