Vol.259 M&Aは事前準備が大切です。

配信日:2016年8月25日

配信日:2016年8月25日

前回、事業承継について少しお話しましたが、
全国の中小企業における社長の高齢化による事業承継問題は切実な課題です。

ここ数年の中で、社長が世代交代を意識し、事業承継の計画を立てる
お手伝いをするシーンも多くなりました。

事業を継ぐお子さんがいる場合は、ある意味シンプルですが、
後継ぎがいない会社も多くあります。
その場合、幹部社員が社長を継いでくれれば良いですが、すんなり行かない
ケースも現実的な問題として多くあります。

継ぐ子供もいなく、継ぐ社員もいない。となると、M&Aによる事業承継が
議論として上がることが多くあります。
つまり、他社と合併したり、会社若しくは事業を第三者に譲渡するということです。

M&Aによる事業承継は、上手に活用できれば、事業承継の問題が解決し、
社員の雇用も確保され、さらなる事業発展が見込めるということで
事業承継に悩んでいる会社にとっては、効果的な手法の一つです。

また、譲受する側の会社にとっても自社にない技術やノウハウを得られたり、
取引先の増加など、事業拡大のチャンスとなり成長を加速させることができます。

ここ数年で中小企業同士のM&Aは増加傾向にあり、その中でも事業承継を
理由としたM&Aが特に増えています。

その為、社長が若く勢いのある会社や堅実な会社には、事業と社員を引き継いで
欲しいというM&A話が取引銀行からの紹介など様々なルートで来ます。

もちろん、対象企業が良い会社で自社との相乗効果が期待できるのであれば
乗りたい話ですが、当然ですがリスクも伴うので慎重にならなければなりません。

M&Aは、いつもハッピーな展開になるわけではなく、十分な検討と事前準備を
経て行わなければ、逆にトラブルの元になることも多い、諸刃の剣と言えます。

相手企業を詳細に調査することなく、決算書を見て財務内容が良いというだけで
安易に判断してしまうと、後から隠れ負債が見つかって大変な目にあったり、
そもそもその決算書が実態を正しく表していなくて、実は大赤字の会社だった
などというトラブルはとても多くあります。

相手企業の精査には、弁護士や公認会計士などの専門家に依頼することになり、
その為のコストは、結構な金額になります。
このコストをかけるのをケチって、その何倍もの痛手を被るケースも多くあります。

意外とここら辺を簡単に考えてらっしゃる社長さんが多いことに驚くのですが、
M&Aは、人間で言えば結婚に近い行為です。
普通、これから結婚する相手のことを何も知らずに表面的な見た目だけで
決めてしまう人はいないでしょう。

こんなはずじゃなかったと後から悔やんでも、まさに後の祭です。
M&Aは、事前準備がとても大切なので、十分に注意してください。
話をしっかり聞いてくれて、親身に対応してくれる専門家を上手に
活用することが成功の秘訣ではないでしょうか。

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本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン『起業家・経営者のための「使える情報」マガジン』
から記事を一部抜粋したものです。
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