配信日:2016年7月20日
配信日:2016年7月20日
私が行政書士を開業したのは平成16年でしたが、それから間もなくの平成18年の
5月1日に会社法が施行されました。
これには、業界は大いに盛り上がり、会社設立支援が行政書士のブームに
なっていたことを懐かしく思います。
それまでは、株式会社を設立するためには原則1,000万円の資本金が必要でしたが、
資本金1円から株式会社が作れるようになり、取締役も最低3名以上必要だったのが、
1名以上でよくなり、監査役も設置が任意となるなど、会社法の施行により、
株式会社の設立がとても容易になりました。
取締役は2年、監査役は4年という任期も最長10年に伸長することができるようになり、
任期満了による再任(重任)の手続きを2年に一度しなければならなかったのが、
10年に一度になったことで、事務が楽になり、重任登記手続きに掛かる費用も節約
できるようになりました。
今年は平成28年、あれから10年とは時が経つのは本当に早いなぁ。と感慨深くなります。
、、、ん? あれから10年・・・?
そうなんです。
当時、会社を設立された方で、任期満了の10年後はずいぶんと先の話だなぁ。
なんて思っていた方も多いと思いますが、今年は、あれから10年目なのです!
会社法が施行された年に、株式会社を設立された方は、そろそろ10年の任期が
切れる頃なのです。もう既に5月や6月に切れている方もいらっしゃるかもしれません。
具体的にどのタイミングまでが10年の任期なのかと言いますと、
会社法には次の通りあります。
「選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の
終結の時まで」(抜粋、会社法332条第2項、336条第2項)
つまり、平成18年5月1日(会社法施行日)以降に株式会社を設立した方で、
設立と共に役員に就任した方は、10期目の決算から3カ月以内に行う
定時株主総会が終わるまでが任期ということになります。
(※途中決算期変更をしていると10期目ではないかもしれません。)
実際には、確定申告の期限の関係もあり、決算から2か月以内に
定時株主総会を開催する会社が多いと思います。
ですので、3月決算の会社さんは5月に定時株主総会を行っていると思いますが、
H18年に設立で3月決算の会社の役員さんの任期は5月で切れていると思われます。
任期が満了したならば、再任(重任)の手続きをしなければなりませんが、
これをうっかり忘れてしまう方はとても多いです。
しかし、うっかりで済むなら良いのですが、
過料の制裁を受ける可能性がありますのでご注意ください。
会社法では「2週間以内に変更登記の申請」が必要で、
守らないと、「百万円以下の過料に処する」とありますので、
十分に注意しなければなりません。
実際には、司法書士さんなどに聞いてみると、2週間をちょっと過ぎて
しまった程度であれば、ガツガツと過料を科すということもないようですが、
だからと言って甘く見ていると、さらっと裁判所から通知が届くかもしれません。
法務省のホームページにも「役員の変更の登記を忘れていませんか?」という
注意喚起のページがあります。
ぜひ、お忘れのないようにお気を付けください!
顧問の税理士さんから決算書をもらった時に、決算書に「第10期」と書いて
あった場合には、「お~、うちもついに10周年か~。」と創業した頃を
懐かしむのと同時に、「むむ!任期切れるかも!」と注意して頂ければと思います。
これは、来年、再来年と数年後に10年を迎える会社も同じです。
役員の任期が10年なのであれば、創立10年を迎える年が任期の切れる年なのです。
そもそも、うちの会社の役員の任期って何年なの?という方は、
ぜひ自社の定款をご確認ください。
もし、会社設立後に任期を変更している場合は、株主総会議事録に
記載があるはずです。
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本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン『起業家・経営者のための「使える情報」マガジン』
から記事を一部抜粋したものです。
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