Vol.246 マレーシアリポート Vol.1

配信日:2015年11月26日

配信日:2015年11月26日

今月11月の頭に5泊6日でマレーシアに行き、現地の法律事務所や会計事務所、
コンサルティング会社といった日系企業のマレーシア進出支援をしている方々に
会って話を聞いたり、日系企業の経営者やJETROに実際の経営環境についてお話を
伺って来ました。

今回は、マレーシア出張で得た情報の一部を皆さんと共有したいと思います。

マレーシアは、、東南アジアのマレー半島南部とボルネオ島北部を領域とする
連邦立憲君主制国家であり、国土は日本の約90%。2013年現在の人口2,995万人で
毎年増加傾向にあります。
経済面では、東南アジアでシンガポールに次ぐ第2位であり、2020年に先進国入りを
目標に掲げています。

多民族国家であり、ざっくりとマレー系の人が約65%、中華系が約25%、インド系が約7%、
残りがその他の人たちといった構成です。
宗教も国教であるイスラム教を中心に仏教、ヒンドゥー教、キリスト教と様々です。

このように、様々な民族、宗教、文化が混在する国ですが、互いを尊重し共生しており、
大きな争いもなく、上手く運営されている多民族国家の成功例と言われています。

1981年に当時のマハティール首相が提唱したルックイースト政策の影響もあり
非常に親日的な国としても知られています。
(ルックイースト政策とは、マレーシアから見て東に位置する日本や韓国の経済発展を
見習いマレーシア経済の発展を促進しようとする政策です。特に日本の集団主義や
勤労倫理を手本にしたようです。)

その成果もあり、現在も安定的な経済成長を続けています。
世界銀行のビジネス環境調査「Doing Business 2015」では、日本を抜いて
東アジア第3位というビジネス環境にあります。

一方で、マレーシアの人件費水準は上昇しており、安い労働力を求めて製造業が
生産拠点として進出する先としては、適当ではない状況になっていますが、
経済の発展に伴い、ビジネスに欠かせないインフラ整備も進んでいます。

日本とは違い、人口が増加傾向にあり、消費意欲も高く、消費市場として魅力的な
国の一つと言えます。

親日という点は、日本の企業が進出する上では、大きなメリットになるでしょう。
記憶に新しい中国の反日運動による日系企業の被害を考えれば、国民感情というのは、
事業を行う上でも大きな要素となります。

実際、今回の訪問でも街の人たちが優しく親切であると感じました。
日本人観光客だと見るとぼったくりを試みる商売人も多くいますが。(笑)
特にタクシーの運転手はしたたかです。^^;
それでも、笑い話になる程度のものですが。

その他にもマレーシアに進出するメリットとしては、下記のようなことが挙げられます。

・英語が通じる
・治安が良い
・政治が安定している
・自然災害が少ない(台風がない、地震が少ない)
・物価が日本に比べて安い。
・アジアのハブというポジション
・他の東南アジアに進出しやすい

事業を行う上で、言葉の問題は重要ですが、英語が普通に通じる国である
ということは大きなポイントになります。

東南アジアには、タイやフィリピン、ベトナムなど注目される国が他にも多く
ありますが、普通に英語が使える国は、マレーシア、シンガポール、フィリピンです。

日本も英語が通じない国の一つですが、学校で少なからず習ってきているので、
知っている単語があるだけでも全然違いますよね。
例えば、タイ語などは、勉強していなければ文字すら読めません。

英語が通じて日本人に優しいということで、「はじめての東南アジア」的な感じで、
マレーシアで東南アジアという環境を経験し、多民族国家の中で様々な文化や
価値観を知った上で、他の東南アジアに出ていくという考えもありかもしれません。

特にマレーシアは、イスラム教の国なので、今注目されているムスリム対応の
足掛かりにも良いです。

また、マレーシアは、東南アジアの真ん中辺りに位置し、お隣の国には、
シンガポール、フィリピン、タイ、インドネシア、ブルネイがあり、
移動時間も2時間程度で行けるところが多く、地理的にも良い位置であると
言えるのではないでしょうか。

長くなってしまったので、続きは次回にします。
今回は、基礎的な情報となってしまいましたが、次回は、飲食業等のマレーシア進出
について触れてみたいと思います。

経済のグローバル化が一層進み、中小企業の海外進出も益々増えてきています。
その中でもアジアは進出先として最も注目されていますが、一言でアジアと言っても
非常に広く、東南アジアだけでも11ヶ国あります。

シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、
ラオス、カンボジア、ミャンマー、ブルネイ、東ティモール
※東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国は東ティモールを除く10ヶ国です。

言葉、文化、政治など各国さまざまであり、その情報も十分ではありません。

中小企業には、アジア進出に興味があるものの、なかなか本格的な
準備に取り掛かることができていない。という会社が多くあります。
その理由は、人材面、経済面による課題もありますが、情報不足というのが
実は大きな理由ではないかと思います。

ネットがこれだけ発展し、情報が溢れ返っていますが、信用性の高い情報、
自社に必要な情報を的確に得ることはそう簡単ではありません。

今回、マレーシアには初めて訪問しましたが、ネットや書籍での情報では
得られない現地の状況や経験談などを得ることができ、やはり現場に行くことが
重要だと改めて感じました。

本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン『起業家・経営者のための「使える情報」マガジン』
から記事を一部抜粋したものです。
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