Vol.345 緊急経済対策 資金繰り支援の内容とは

配信日:2020年4月8日

配信日:2020年4月8日

 

緊急事態宣言と同時に「緊急経済対策」が決定し、
その概要が公表されています。

 

事業規模は、リーマンショック時を超え、
過去最大の108兆円です。

 

今日は、中小企業の資金繰りに関する内容を中心に
内容をご案内します。

 

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★資金繰り対策
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次の6点を主なポイントとしてお伝えします。

1.日本公庫等による実質無利子融資の継続
2.日本公庫のマル経融資も実質無利子化
3.既存借入を実質無利子・無担保融資への借換が可能
4.民間金融機関からの実質無利子・無担保融資制度が創設
5.小規模企業共済の貸付制度も無利子に
6.金融機関へリスケへの円滑な対応を要請

 

これまでの、日本政策金融公庫等(日本公庫)による
特別貸付や危機対応業務による支援の継続は当然のこと
ながら、これまで、実質無利子化の対象となっていなかった、
小規模事業者経営改善資金(マル経融資)の実質無利子化も
決まりました。

 

また、日本公庫や信用保証協会の保証付き融資の既存借入の
借換えもしやすくなるようです。
つまり、既に借りてる融資を今回の実質無利子、無担保融資
に借換ることができるのです。
これは非常にありがたいことですね。

 

実質無利子、無担保融資に借換ることで、利息負担を
なくせるだけでなく、借換えを上手に使うことで、
毎月の返済額を圧縮することができます。

 

いわゆる、リスケジュールをすると、今後の銀行取引に
大きな悪影響が出てますので、借換えを効果的に活用する
ことはとても重要な銀行取引テクニックの一つです。

 

そして、政府系金融機関である日本公庫や商工中金で活用
できる実質無利子融資が民間金融機関からの融資にも新たに
創設されます。

 

3月28日の安倍首相の記者会見でも民間金融機関による
実質無利子・無担保の融資について触れられていますが、
まだ詳細はこれからのようです。

 

さらに、金融機関からの融資ではありませんが、
小規模企業共済の加入者が利用できる貸付制度も
無利子となるとのことです。

 

融資制度に関する情報が多いですが、中には融資を
受けられない状況の会社もいます。
その場合は、リスケジュール(借入条件変更)で
資金繰りを安定化させる必要があります。

 

今回、リーマンショックの時のように政府は、
民間金融機関へリスケ依頼に対する柔軟な対応を
要請しています。

 

資金繰り支援については以上です。
今、実質無利子、無担保融資やセーフティネット保証などの
利用など、資金調達に関する話題が多く、私もその相談が
非常に多くなっていますが、資金繰り対応は、融資だけでは
ありません。

 

長期戦となっているコロナショックを乗り切る為には、
今こそ冷静になって、自社の資金繰り見込みを大まかにでも
把握して、どのような対策を講じ、どの制度を活用すべきか
現時点から判断し、コロナショック明けにV字回復を遂げる
ための準備、仕込みをしなければなりません。

 

悲観的になりがちな状況ですが、今できることを
しっかりやりきる会社がその後の回復も早いものと思います。

 

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★事業継続に困っている中小・小規模事業者等への支援
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「持続化給付金(仮称)」として、事業収入が前年同月比
50%以上減少した事業者について、中堅・中小企業は上限
200万円、個人事業主は上限100万円の範囲内で、前年度の
事業収入からの減少額を給付するとのことです。

 

申請者の事務負担を考慮して、「電子申請」を原則とする
など、可能な限り簡便な手続とし、申請から給付までの
期間を極力短くするとしていますが、具体的な手続きは
まだわかりません。

 

飲食業や宿泊業の売上の落ち込みは、尋常ではない状況
ですので、一刻も早く支援を受けられるようにしてほしい
ですね。

 

また、賃貸用ビルの所有者等に対する、飲食店等のテナント
賃料の支払い猶予など柔軟な措置の検討要請の周知と
ありますので、家賃負担の軽減につながる措置があるかも
しれません。

 

一方で、賃貸ビルオーナーへの配慮も欠かせませんので、
どのようなものになるのか今後の動きに注目していきます。
それでは、次回もよろしくお願い致します。

 

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本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン
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から記事を一部抜粋したものです。
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