Vol.326 銀行への数字の説明のコツ

配信日:2019年9月3日

 

銀行と良好な関係を築く上では、自社の適切な情報開示が重要で
あることは、これまでにも何度もお伝えしている通りです。

 

決算の後に決算報告に行くことや、定期的に試算表と資金繰り表を
持って近況報告をする事はとても重要です。

 

しかし、ただ財務資料を提出すれば良いわけではありません。

 

例えば、数字が大きく動いた場合に、その理由をしっかりと伝える
ことが大事です。

 

ある取引がスタートする為に、在庫を多く持っていた時期に
決算が来たとすると、決算書の在庫の金額がこれまでの流れと比べて
非常に大きな数字になることがあります。

 

この場合、銀行がどう判断するか、様々な憶測が出来るわけですが、
悲観的に見た場合、売れ残りが多かったのか、発注ミスがあったのか、
若しくは、在庫を膨らませて損益を偽っているのではないか。
こんな見方もできてしまいます。

 

銀行は、決算書を見る際には3期程度の推移を見ます。
その推移で大きな変化があれば、その理由は何かと考えますが、
こちらから正しい情報を伝えなければ、違う解釈をする可能性があるのです。

 

銀行は仕事柄、疑って見るという習性がありますので、こういう場合は、
基本的に楽観的に見ることはなく、悲観的な判断となるのが通常です。

 

このケースでは、決算報告の際に在庫が増えている理由について文章で
添えておけば、間違った解釈をされることはありません。

 

また逆に、数字が動いていないことによる疑念もあります。

 

例えば、ある取引先の売掛金が同じ金額で数期に渡って計上されている場合や
貸付金の数字が減らずにほとんど変動がない、など。
これらは、その売掛金は焦げ付いている、その貸付金は戻ってこない。
と判断されることになります。

 

もし、その売掛金が本当に支払われる予定がある場合は、
その理由と入金時期をしっかりと伝えましょう。
貸付金も回収計画がある場合は、しっかりと伝えましょう。

 

銀行は、定期的に取引先企業の状況を査定し、ランク付けをしています。
これを自己査定といいますが、自社が低いランクに位置付けられてしまうと、
今後の融資取引に大きな影響を与えます。

 

自己査定をする場合、取引先企業から決算書を預かってその数字を基に
査定をしますが、数字をそのまま読むことはありません。
前述のような状況があれば、修正して評価をします。

 

先の例の売掛金は、説明がなければ、回収見込みのない不良債権と判断され
資産性なしと修正されてしまい、御社にとってマイナスになります。

 

回収見込みがあるならば、理由とその回収時期を伝えることで、
資産性を認めてもらえる可能性があります。

 

このように、自社を正しく評価してもらうためには、自社の数字を
見せるだけではなく、しっかりと説明する必要があることを忘れないで
ください。そして、その説明は文章ですべきです。
口頭説明では、担当者の先に正しく伝わらないリスクがあります。

 

こうした、ちょっとしたことが出来ていなくて、損してしまう事も
ありますので、手間を惜しまずに対応することが大事です。
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本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン『起業家・経営者のための「使える情報」マガジン』
から記事を一部抜粋したものです。
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