Vol.321 無担保融資がいつのまに有担保に?根抵当権のワナ

配信日:2019年7月10日

 

社長さんと銀行融資の話をしていると、いくつか借りている融資のうち
これは不動産担保付の融資で、これは無担保の融資だというような話が
出てくることが多くあります。

 

例えば、一つの銀行からA,B,Cという順に借りた3本の融資があり、

A.残高1,000万円(無担保融資)
B.残高2,000万円(無担保融資)
C.残高4,000万円(不動産担保融資 根抵当権 極度額8,000万)

 

こんな感じで借入があったとしましょう。
以下、細かいことは排除してもの凄くシンプルに噛み砕いて書きます。

 

この時、多くの社長は、AとBの融資は無担保で借りたから
今もなお無担保であると考えています。

 

そして、Cの担保に付けた不動産を売りたくなった場合、
Cの残高4,000万円を返済すれば担保を解除してもらえると
勘違いしている方は非常に多いです。

 

しかし、「根抵当権」が設定されていますので、A,B,Cすべての
借入にかかっていることとなります。

 

シンプルに表現すれば、
無担保で借りたはずの融資も有担保と同じ状態になっているという事です。

 

したがって、その不動産を売却する為に根抵当権を外してもらいたい場合は、
A,B,Cの全てを返済しなければ解除してもらえない可能性が高くなります。

 

さらに、新たに同じ銀行から無担保融資を借りた場合も、無担保融資であるのに、
根抵当権の極度額の範囲内でかかることになります。
非常に納得のいきにくい話ですが、根抵当権とはそういう性質のものです。

 

一般的に事業融資は、反復的に借りることが多いため、銀行は不動産担保を
取る際には、「根抵当権」の設定を勧めてくることが多いですが、このことを
十分に理解した上で、判断しなければいけません。

 

「根抵当権」ではなく「抵当権」であれば、対象の融資だけにかかるので、
その融資が全額返済されれば、抵当権は消滅します。
したがって、先の例で言えば、Cを完済すれば、抵当権は消滅するので、
AとBの融資が残ってても不動産を売却することができます。

 

銀行員にとっては、当たり前の話だと思っているのか、ここら辺の説明が
不十分な印象がありますので、経営者は、しっかりと理解しておかなければ
痛い目にあう事になるので、お気を付けください。

 

また、一度設定した根抵当権を外してもらうのはなかなか骨の折れることで、
私も顧問先の対応で苦労したことがあります。

 

根抵当権を設定する事には、もちろんメリットもありますので、
決して根抵当権はダメだという事ではなく、こういった特性があることを
理解した上で、判断しなければならないという話です。

 

それでは、次回もよろしくお願い致します。

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本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン『起業家・経営者のための「使える情報」マガジン』
から記事を一部抜粋したものです。
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