Vol.313 目標売上高の計算の注意ポイント

配信日:2019年3月12日

 

3月も半ばに差し掛かり、2018年度も終わりますね。
今月が決算という会社も多いと思います。

 

新年度に向けて来期の計画は定まっていますでしょうか?
今日は、目標売上高の設定についてお伝えしたいと思います。

 

目標の売上高を設定する際の方法は、いろいろとありますが、
シンプルで分りやすいのは「損益分岐点売上高」の計算をして
検討する方法が一つです。

 

損益分岐点売上高とは、損益がトントン、つまり利益が0円となる
黒字と赤字の分岐点となる売上高はいくらなのかを計算するものです。

 

簡単に損益分岐点売上高の計算方法について解説しますが、
計算方法をご存知の方は、本文の最後の方をお読みください。
検討する際の重要な注意点をお伝えします。

 

損益分岐点売上高を計算する際、費用は、変動費と固定費に分けて計算します。

 

変動費とは、売上の増減に連動してかかる費用。
代表的なものは売上原価や売上に連動する外注費、販売手数料などです。
この割合が売上の何%になるのか計算します。

 

その割合を変動費率と言います。

 

一方、固定費とは、売上の増減に関係なく固定的に発生する費用です。
例えば、家賃や役員報酬、社員給与などは、固定的なもので、
売上が上がっても下がっても同じだけかかります。

 

実際、自社の費用を変動費と固定費に分ける際、どれが変動費で
どれが固定費になるのか悩むシーンも多いと思います。

 

例えば、水道光熱費は、売上が増えれば、連動して増えたりしますので、
変動費の要素があるとも言えます。

 

ここら辺は、どこまで細かく考えるかにもよりますが、
実務的には、ある程度割り切って考えてしまって良いです。
明確に売上に連動するものだけを変動費として計算することが多いでしょう。

 

また、モール等に入居している飲食店や小売店の場合、
固定家賃プラス売上の〇%というように、変動要素のある
賃貸契約をしている場合は、家賃を固定部分と変動部分に分けて
計算すべきでしょう。

 

こうして費用を別けたならば、次の計算式で計算すると
損益分岐点売上高は計算できます。

 

損益分岐点 = 固定費 ÷ (1- 変動費率)

 

変動費率は、≪変動費÷売上高≫で計算します。

 

例えば、固定費が6000万円で変動費率が40%の会社の場合、
損益分岐点売上高は、下記のようになります。

 

損益分岐点売上高 = 6,000万円 ÷ ( 1- 40% )
=6000万円 ÷ 60% = 1億円

 

この会社は、1億円の売上を上げると変動費が4000万円かかり
残るのは6000万円、固定費も6000万円なので利益は0円という事です。

 

こうして、損益がトントンになる売上を求めるのですが、
例えば、今年の目標利益額は500万円だとした場合は、
固定費に500万円を上乗せして、6500万円として計算すれば
500万円の利益を出すために必要な売上高が求められます。

 

計算すると、≪6500万円 ÷ 60% = 1億833万円≫になります。

 

この会社は、1億833万円の売上を達成できれば、
理論上は、500万円の利益を出すことができます。

 

★目標売上高を計算する際の注意点★

単純な話ですが、忘れられがちな注意ポイントです。

 

多くの会社は銀行等から融資を受けていると思いますが、
ご存知の通り、元金はキャッシュフローから返済します。

 

キャッシュフローとは簡単に計算すると
≪利益+減価償却費-法人税等≫です。

 

つまり、例えば、年間の返済額が600万円の会社は、
キャッシュフローが600万円以上なければなりません。

 

減価償却費や税金の話も一緒にするとややこしくなるので、
減価償却費と税金がゼロ円だと仮定すると、600万円以上の
利益を出さないと返済することができません。

 

したがって、

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目標売上高を計算する際は、年間返済額も考慮して、
≪目標利益額+年間返済額≫の金額を固定費に上乗せして検討する
必要があることを忘れないでください。
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さらに、忘れがちなのは、資産計上されている保険料です。
積立型の生命保険などは、経費科目の保険料には計上されず、
貸借対照表の保険積立金に計上されることがあります。

 

その為、費用に入れ忘れてしまうケースが多くあります。

 

この金額を忘れて計算してしまうと、目標達成したのに、
お金が残ってない・・・!ということになりかねません。

 

とてもシンプルな話なのですが、意外と抜けてしまうので、
ぜひ、新年度に向けて目標売上を検討する際には
こうしたことに注意して計算してください。

 

それでは、次回も宜しくお願い致します。

 

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本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン『起業家・経営者のための「使える情報」マガジン』
から記事を一部抜粋したものです。
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