Vol.292 決算対策のポイント

配信日:2018年5月15日

 

今月(5月)は、3月決算の会社の決算申告月です。

 

3月決算の会社は多いので、このメルマガをお読みの会社さんにも
今月が申告月だという会社は多いのではないでしょうか。

 

多くの場合、顧問税理士に決算書類の作成をお願いしていると思いますが、
最終的な数字について、しっかりと税理士さんと決算対策の打ち合わせをして、
納得されたうえで、締めてくださいね。

 

黒字の会社は、極端に節税に走ることのないようにお気を付けください。
銀行融資を必要とする会社が節税しすぎると、融資を受けづらい決算書に
なってしまう危険性があります。

 

一般的な中小企業は決算が年1回ですので、1度申告した決算書は、
1年後の次の決算までずっとその会社の成績表としてついてきます

 

銀行に融資を申込む際は、2~3期分の決算書の提出を求められますが、
融資審査においては、決算内容が最も重要視されます。

 

このメルマガでも度々取り上げている通り、ここ最近は、
数字ばかりではなく、将来性や成長性も重視されるようになってきています。
つまり、「事業性評価」が重要視される傾向になりつつありますが、
そうは言っても、審査においてウェイトが高いのは決算数字です。

 

また、決算書の他に、試算表や計画書等の提出も求められたりしますが、
あくまでも参考資料であり、決算書ほどのウェイトはありません。

 

直近の決算内容が悪いけれど、その後に回復してきて試算表では、
十分な利益が出せている。というケースをよく見ますが、
若干のプラス要素にはなっても決算書の悪さを十分にカバーする
ことはできません。

 

つまり、直近の決算書は、その後1年間の融資の可否を大きく左右し、
資金繰りに大きな影響を与える可能性が高いということです。

 

銀行が見る基本的な財務分析のポイントはいくつかあります。
例えば、損益計算書では、売上、売上総利益(粗利)、営業利益、経常利益など。
貸借対照表では、自己資本比率、流動比率、当座比率、固定長期適合率など。
借入額の適正値を測る借入月商倍率、債務償還年数などなど。

 

こうした数字がより良くなるために、どのようにすべきかを常に考えながら
経営をしていくと銀行取引で失敗する要素を減らすことができます

 

また、銀行や信用保証協会は、未収入金や立替金、貸付金、未払金といった
勘定科目が嫌いです。

 

このような科目を彼らは「雑勘定」と呼びますが、これらの金額が多いと、
それだけで、評価が低くなります。

 

例えば、売掛金と未収入金、買掛金と未払い金という科目は、
かなりあいまいに処理されているケースを多く見受けます。

 

売掛金と未収入金は、どちらもまだ入金していない金銭債権ですが、
売掛金は営業上の金銭債権、未収入金はそれ以外の金銭債権といった
違いがあります。

 

例えば、実際にあった例でいうと、FC展開をしていた飲食業さんで、
店舗の売上債権は売掛金で処理しているけれども、加盟店からもらうロイヤルティは
未収入金で計上しているという例がありました。

 

どちらも、営業上の金銭債権ですので、売掛金で良いはずなのですが。
また、クレジットカードの売上未入金分を未収入金にしているケースも見受けます。

 

他にも、税理士さんによっては、メイン事業の売上ではないものは、
売掛金ではなく未収入金を使うというケースも多いようです。
この場合、PLの方も売上ではなく雑収入になっている可能性もありますが、
メインではなくても、定款に記載された事業で、営業上の収入であれば売上として
計上した方が営業利益が増えて、印象も良くなります。

 

これらの処理は、税額が変わるわけではないですし、税務的には、
間違った処理ではないのでしょうが、銀行融資的には、マイナスです。

 

売掛金にできるものは、未収入金にせずに売掛金に。
買掛金にできるものは、未払い金にせず買掛金に。
この処理だけでも無駄な「雑勘定」が減り、御社の決算書の評価は向上します。

 

このようなことは、細かいことで、科目を変えたところで、手元の資金が増える
わけではないですし、本質的な改善ではないのですが、必要な時に必要な融資を
しっかり受けることが出来る状態にすることはやはり経営的に大切な事です。

 

ぜひ、今度の申告に当って、自社の決算にマイナス要素がないか確認してみて下さい。

 

但し、企業会計には「継続性の原則」というものがあり、
むやみに会計処理を変えないように。という要請もありますので、
顧問税理士さんとよく相談して対応してください。

 

正しい処理に変える事なので、きちんと対応することが出来ると思います。

 

銀行取引をスムーズにできる会社、資金繰りが良好な会社にするためにも、
税理士さんに任せっぱなしにせず、ぜひ社長自らも会計と銀行取引の最低限の
知識を身につけて、決算対策を行って頂きたいと思います。

 

それだけで全然違う結果になりますし、経営者として守備力が向上します。
これは、銀行取引だけに関わらず、経営全般に言えることです。

 

ぜひ、意識してみて下さい!

 

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本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン『起業家・経営者のための「使える情報」マガジン』
から記事を一部抜粋したものです。
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