Vol.289 AIを活用した融資

配信日:2018年2月21日

 

このメルマガでも多く取り上げている「事業性評価融資」ですが、
今年4月から信用補完制度の見直しが実施され、事業性評価融資の重要性も
ますます高まっていきそうです。

 

先日、「銀行実務」という業界紙から、「信用補完制度の見直し」をテーマに
執筆依頼を受け、7ページにわたる特集記事を書きましたが、好評を頂けました。

 

改めて「事業性評価融資」について簡単に解説しますと、決算書等の財務データや
担保・保証に必要以上に依存せず、企業の事業内容や成長可能性などを適切に
評価して行う融資のことです。

 

これを達成するためには、数字に表れない部分を的確に評価することが必要となり、
これまで以上に金融機関は融資先の企業のリアルな現場を見極めていくことが
求められます。
そして、融資を受ける企業側からも積極的な情報開示が必要であることは、
何度もお伝えしていることです。

 

このように、どちらかというとアナログな面の強い事業性評価融資ですが、
一方で、昨今注目される「AI」を活用した融資手法も活発に動き出しています。

 

AIとは、ご存じの通り「人工知能(Artificial Intelligence)」です。
つまり、コンピューターによる融資審査をAI技術を活用して的確かつ素早く
行っていこうという取り組みです。

 

コンピューターによる融資審査と言えば、1990年代後半に登場し、
一時期とても活発に行われた「ビジネスローン」を思い浮かべる方も多いのでは
ないでしょうか。

 

過去の融資データから貸倒率などを計算して融資審査を行うスコアリングシステムを
活用した手法で、スピーディーな審査で無担保かつ第三者連帯保証人も必要ないという
メリットにより、大手銀行を中心に活発に取り組まれました。

 

審査期間が3日程度と、通常の銀行融資の審査期間と比べると非常に短期間で
融資を受けることが可能で、利用者にとっても使い勝手の良い融資でしたが、
この手法は、コンピューターが粉飾決算を見抜くことができず、決算書を良くすれば、
実際の財務状況を隠して融資を受けることができてしまい、粉飾決算が横行する
といったモラルハザードが起こってしまいました。

 

AI融資も同じく、コンピューターによる審査ではありますが、
おそらくAIによって粉飾決算も通用しないようなものになるのでしょうね。

 

世界的に見れば、すでにAI融資が盛んに行われている国も多くあり、
日本は出遅れ気味のようですが、昨年、みずほ銀行とソフトバンクによる合弁会社、
株式会社J.Score(ジェイスコア)がAIを使った個人向け融資サービスを開始しました。

 

最大1,000万円までの融資を0.9~12%で借りることが出来るようです。

 

さらに、みずほフィナンシャルグループは、中小企業向けにAI融資を今年中に
始めることを佐藤康博社長が明らかにしています。

 

企業の日々のお金の流れを分析することで、これまで融資が難しかった企業にも
貸出先を広げるのが狙いとのことで、実現すれば国内大手銀行初の取組みになります。

 

その他にも大手金融会社のオリックスと会計ソフトの弥生が共同で設立した
アルトア株式会社が短期・小口に特化した小規模事業者向けオンラインレンディング
サービスを開始しました。

 

オリックスが持つ与信ノウハウと弥生が持つ会計ビッグデータを活用し、
さらに協業先のd.a.t.株式会社のAI技術を活用した新たな与信モデルだそうです。

 

横浜銀行や千葉銀行などの大手地銀もこのサービスと業務提携を行っているとのことで、
今後は、地銀においてもAI融資が盛んにおこなわれていくのかもしれません。

 

このように、巷で騒がれているAIですが、中小企業の資金調達にも
大きく関わってきそうです。

 

ますます環境の変化が早く、激しくなっていきそうですが、
しっかりとした情報収集と正しい判断で対応していくことが
大事になってまいりますね。

 

このメルマガでも引き続き、ここら辺の情報を追ってまいります!

 

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本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン『起業家・経営者のための「使える情報」マガジン』
から記事を一部抜粋したものです。
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