Vol.283 人材派遣会社の悩ましい課題

配信日:2017年10月31日

 

事業のメイン、若しくはサブとして、人材派遣業を行っている会社さんは、
意外と多いのではないでしょうか。

 

私のお客様にも特定派遣の届出により事業の柱の一つとして派遣事業も
行っている会社さんがいらっしゃいます。IT会社などに多いケースですね。

 

そういった会社さんは、もちろんすでにご存じかと思いますが、
平成27年9月30日に労働者派遣法が改正され、労働者派遣事業が
全て許可制となりました。

 

経過措置として、平成27年9月30日から平成30年9月29日までの3年間は、
すでに特定労働者派遣事業の届出をしている事業所は、継続して労働者派遣を
行うことができますが、この経過措置期間以降も派遣事業を続けるには、
許可を取らなければならず、その期限まで、もう1年を切っています。

 

詳しくは、お近くの社会保険労務士さんにご相談いただければと思いますが、
許可要件をクリアすることは、中小零細企業にとっては、高いハードルです。

 

許可基準の中で、多くの中小企業を悩ませるハードルとして挙げられるのは、
以下の資産要件です。(端的に書きます)
※小規模派遣事業主には、資産要件を軽減する暫定的な配慮措置がありますが、
ここでは省きます。社労士さんにお問い合わせください。

 

イ.基準資産額が(2,000万円×事業所数)の金額以上
ロ.基準資産額が負債総額の7分の1以上
ハ.自己名義の現預金が(1,500万円×事業所数)の金額以上

※「基準資産額」とは、資産(繰延資産及び営業権を除く)の総額から
負債の総額を控除した額

 

基準資産額という言葉が、ちょっと分りにくさせていますが、
自社の決算書の貸借対照表を見て資産の部に繰延資産や営業権という項目が
ない場合は、目安として単純に純資産を見てみて下さい。

 

つまりその場合は、一つの事務所で行うとしても、最低、純資産が2,000万円以上
あって、現預金残高が1,500万円以上なければならないという事になります。

 

この資産要件のうち、多くの中小企業を悩ませるのは、
おそらく、「基準資産額2,000万円以上」という要件ではないでしょうか。
現預金残高1,500万円以上という要件だけでしたら、銀行から融資を受ければ
済むわけですが、さらに基準資産額をクリアしなければならないとなると
話は全く変わってきます。

 

融資は負債ですので、基準資産額の増加には繋がらず、融資を受けることでは
この要件はクリアできません。
基準資産額を増やすためには、「利益を出す」か「増資する」の二つの方法しか
ありません。

 

経過措置期間終了まで1年を切っています。
現時点で債務超過であったり、純資産が極めて少ない会社の場合は、
利益により2,000万円のハードルを越えることは相当難しいでしょうから、
現実的な対応策は増資になると思われます。

 

その場合、増資するための原資をどうするかと言う課題があります。
2,000万円は、小さな数字ではありませんので、中小企業にとっては、
本当に悩ましい問題です。

 

私のお客様にも、今現在この課題クリアに取り組んでいる会社さんが
いくつかありますが、私が財務面からフォローし、提携している社労士さんに
許可取得の実務部分を対応して頂き、対策しているところです。

 

このメルマガをお読みの会社さんの中にも派遣許可の事で悩まれれている
会社さんがいらっしゃるかもしれませんが、早め早めに動き、万全の対策を
取っていただきたいと思います。

 

決算書の内容等によっては、意外と簡単にクリアできたり、
新たにキャッシュを用意しなくともクリアできるなどのケースもあります。
資産要件に関しては、税理士さんにアドバイスを求めるのも良いでしょう。

 

お近くに相談できる専門家がいない場合は、お早目に弊社にご相談ください。
お話を聞かせて頂いた上で、社労士も含め対応をアドバイスさせて頂きます。

 

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本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン『起業家・経営者のための「使える情報」マガジン』
から記事を一部抜粋したものです。
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