Vol.268 ローカルベンチマークとは

配信日:2017年2月1日

 

「ローカルベンチマーク」という言葉を最近耳にすることがありませんか?

 

昨年の3月に経済産業省により策定されたものなのですが、顧問先や知り合いの
社長さんから質問されることがちらほらあるので、このメルマガでも簡単に
解説しようと思います。

 

昨年から、このメルマガでも地域金融のあり方を見直していく流れが
強まっていることについて触れていますが、このローカルベンチマークも
その流れの中の一つです。

 

ローカルベンチマークという言葉が聞きなれず、とっつきにくい印象で、
なかなか深く理解しようという気になれない社長さんも多いともいます。
通称「ロカベン」と呼ばれているのですが、ほとんど浸透してません。(笑)

 

要は、私たちが年に一回受ける健康診断の検査項目のようなものだと考えれば、
分りやすいかと思います。

 

健康診断を受けると、検査結果には、血圧やコレステロール値、尿酸値、
白血球数などなど、様々な数値が並んでいると思います。
ローカルベンチマークは、これの企業版という事です。

 

これまでは、企業の財務評価の統一的な評価指標が定まっていなかったので、
この機会に、経営判断をする際や経営支援を検討する際の評価指標・評価手法を
策定したものという事です。

 

共通のものさしを作ることで、企業の経営状態の把握をしやすくし、
経営者や金融機関等が同じ目線で会話できるようにすることが目的です。

 

ものさしの具体的な内容は、6つの財務指標と4つの非債務情報から成ります。
以下、経済産業省の資料から抜粋します。

 

【6つの財務指標】

<売上持続性>
(1) 売上増加率(=(売上高/前年度売上高)-1)

<収益性>
(2) 営業利益率(=営業利益/売上高)

<生産性>
(3) 労働生産性(=営業利益/従業員数)

<健全性>
(4) EBITDA 有利子負債倍率(=(借入金-現預金)/(営業利益+減価償却費))

<効率性>
(5) 営業運転資本回転期間(=(売上債権+棚卸資産-買入債務)/月商)

<安全性>
(6) 自己資本比率(=純資産/総資産)

【4つの非債務情報】

(1)「経営者」への着目
(具体的な項目例)
・経営者自身について(地域経済界における立場、経営手腕等)
・経営者の思い、事業の方向性、ビジョン、経営理念
・経営者の再生に対する意識、スタンス
・後継者の有無

(2)「事業」への着目
(具体的な項目例)
・事業の商流
・ビジネスモデル、製品・サービスの内容、製品原価
・市場規模・シェア、競合他社との比較
・企業および事業の沿革
・事業用資産と非事業用資産の区別、事業用資産の有効活用
・技術力、販売力の強みと課題
・取引先数、分散度
・企画から商品化までのスピード、一単位あたりの生産時間
・IT の能力、イノベーションの状況

(3)「企業を取り巻く環境・関係者」への着目
(具体的な項目例)
・顧客リピート率、主力取引先企業の推移
・従業員定着率、従業員勤続日数、従業員の平均給与、年齢構成
・取引金融機関数とその推移、金融機関との対話の状況

(4)「内部管理体制」への着目
・同族企業か否か、社外取締役の設置状況、組織体制
・経営目標の有無と共有状況
・人材育成の方法、システム
・社内会議の実施状況
・コンプライアンス上の問題の有無

 

以上になります。

 

指標を一つ一つ、見ていくと色々とややこしさを感じるかと思いますが、
まずは、ローカルベンチマークとは会社の経営状態の評価をする為に共通し
利用される「ものさし」だと理解してください。

 

ローカルベンチマークは、事業性評価の入口として活用を期待され、
また、中小企業等経営強化法の経営力向上計画でも利用が進められており
今後、企業評価のベースとなって行く方向です。

 

6つの財務指標を文章に翻訳して端的に言えば、
売上を順調に伸ばし、従業員一人あたりの利益が多く生産性の高い
会社を運営し、その結果、本業の利益である営業利益を多く出し、
それにより営業キャッシュフローも高めましょう!
そして、資本効率が良く、安全性の高い企業を目指しましょう!
という事ですね。

 

その為には、数字に表れない、経営者の想いや能力、ビジネスモデル、
会社の置かれている環境の整備、会社内部の統制が欠かせません。という事です。

 

言われてみれば、当たり前のことです。
それを一つ一つ、改めて見直してみて、足りていない部分を強化していくことで
より良い会社を目指すという事になります。

 

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本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン『起業家・経営者のための「使える情報」マガジン』
から記事を一部抜粋したものです。
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