Vol.261 銀行が変わってきた?(金融庁改革)

配信日:2016年10月13日

最近、顧問先の取引銀行の行員の方々とお話していると、
なんだか雰囲気が変わってきたな。と感じることが多くなってきました。

それは、良い意味で変わってきたということなのですが、
私が全国様々な会社さんとお付き合いしていることをから
他の地域の会社の様子や取引銀行の対応などについて聞きたいと
いった具合で、情報収集に積極的な行員さんが増えたイメージです。

私がこの仕事をするようになった12年ほど前では、
どこの馬の骨かもわからないコンサルタント風情の話なんて
聞くだけ無駄だといった雰囲気を醸し出す方も結構いましたが、
ここ数年の中で、金融機関の考え方も大きく変わってきたと感じます。

その変化がここ最近特に大きくなってきました。
私が訪問する日程に合わせて、顧問先の会社へ銀行マンが訪問して来て
小一時間会話して帰っていく。というようなことが増えたのです。

その背景には、現在の金融庁改革があるのだと思います。
現在、地銀、信金、信組といった地域金融機関のあり方が
活発に議論され、変化を求められています。

それは、本来あるべき姿、地域経済の発展に貢献できる地域金融機関、
現政府が掲げる地方創生を実現するために欠かせない金融サービスを
担う地域金融機関がどのように機能していくべきか。というものです。

日本は、欧米のように投資家による中小企業への出資は盛んではありません。
そのような環境の中、中小企業の成長に欠かせない資金の手当は、
銀行が融資という形で行ってきて、中小企業の発展において欠かせない
存在として地域経済に貢献してきました。

ところが、バブル崩壊後に多くの銀行は多額の不良債権を抱え、
銀行の経営は危機的な状況に陥り、大手金融機関の倒産が相次ぎ
金融危機をもたらしました。

これを受け、不良債権処理を進め、銀行監督を強化し、金融危機を乗り越えるべく
1998年に金融監督庁(現 金融庁)が発足され、翌99年に金融検査マニュアルが
策定されたという流れになります。

それから約20年が経つわけですが、この間、銀行は、金融庁による厳しい
金融検査を恐れ、金融検査マニュアルや監督指針といったガイドラインに
強く依存し、顧客である企業よりも金融庁の顔色を見るという体質が
染み込むことになります。

その影響で、融資する際は、決算書等の過去の数字による評価が重視され、
不動産担保を取り、連帯保証人や信用保証協会の保証を付け、ガチガチの
フル保全でなければ出さない。といったノーリスクに近い融資ばかりがされる
ようになり、本来期待される金融仲介機能が果たされなくなってしまいました。

これではいけない!ということは、これまでも議論されながらも
実際に変わることのなかった日本の金融環境でしたが、ここにきて
昨年就任した森金融庁長官の音頭の下、大きく変わろうとしています。

これまで、融資の審査は、決算書等の財務資料からの定量評価中心でしたが、
今後は、融資先企業のビジネスモデル、将来性といった事業性を評価、
つまり数字に表れない定性部分の評価を的確に行い、地域の中小企業に
寄り添った対応が求められることになってきています。

もちろん、これを受けて銀行の融資審査がガラッと変わるわけではなく、
銀行も今後数年間かけてだんだんと事業性評価を的確に行う審査ノウハウを
高めながら変化していくわけで、この約20年間で染みついた体質を変えるのは
容易なことではないでしょう。

中小企業にとっては、このような変化は歓迎すべきことですが、
逆に言えば、借り手である中小企業としてもこの変化をしっかり理解し、
それに対する適切な対応をしていく必要があるということになります。

では、どのような対応をしていくべきか。については、
また次回に私見を書いていこうと思います。

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本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン『起業家・経営者のための「使える情報」マガジン』
から記事を一部抜粋したものです。
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