Vol.260 「創業融資は一発勝負」は本当か?

配信日:2016年8月31日

配信日:2016年8月31日

融資にまつわる「都市伝説」というのは、本当に多くあり、
いまだにこんなことを言う人もいるのか。と驚くこともよくあります。

例えば「創業融資は一発勝負で、チャンスは一度きり」という言葉があります。

実際、そういったことをホームページ上で謳って、
だから専門家に任せた方が良いですよ!という流れで
解説しているサイトもちらほら見かけます。

しかし、本当に創業融資は、一発勝負で、一度失敗したら
二度と再チャレンジはできないのでしょうか?

私のこれまでの経験で言わせて頂くと、それは全く間違っています。

実際、ご自身でトライして、若しくは、他事務所に依頼した結果、
融資が否決となってしまって、困って私のところにご相談に見える
お客様が一定割合いらっしゃいますが、再度申し込みして希望額満額の
融資を受けられたというケースはたくさんあります。

これに関連して、創業融資に関わる都市伝説としてよく聞くものとして
「再度申込むには、3か月程度の期間を空けなければならない。」
というものがあります。

これも、はっきり言って間違った情報です。
まったく根拠のない話です。

再度申込む上で重要なのは、空ける期間ではありません。
重要なのは、否決となった前回の申込み時から計画の見直しを行ったことにより、
修正した創業計画が前回の否決要因をクリアできているかどうかです。

例えば、以下のようなイメージです。

前回は、収支見込みが甘いと指摘されたが、
今回は、修正し現実的な数字での収支予測となっている。

前回は、資金使途(使い道)が適正でないと指摘されたが、
今回は、修正して適正かつ明確となっている。

などです。

ただし、日本政策金融公庫や銀行、信用保証協会は、融資を断る際に
その理由を明確に伝えてくれないので、なかなか改善すべきポイントが
見えにくいかもしれません。

それでも粘り強く、なぜ否決になったのかを聞いていると、
小さなヒントをもらえることもあり、ヒントをつかむことができると、
次に生かせます。

また、融資申込みの際の面談で担当者から指摘された点は、
否決理由の一つだという可能性が高いです。

さらに、前回提出した創業計画を改めて見直してみることも重要です。

このように、再度申込する際に重要なのは、前回から間を空けることではなく、
前回の否決の理由を計画修正によりクリアできるかどうかですので、問題をクリア
できたのであれば、極端な話、数日後に再度申込んでも良いでしょう。

もちろん、問題が数日でクリアできるものである場合に限ります。
実際には多くの場合、否決の要因は数日で解決するような問題ではないですし、
その問題を解決した上で、計画を練り直したりしている間に、1か月くらいは
かかってしまうことが多いと思います。

逆に、前回否決されてしまった理由が、数か月では解決できないような、
例えば自己資金が少なすぎるという理由の場合は、きちんと十分な自己資金を
準備できない限り、3ヶ月空けたところで再度否決となるでしょう。

以上のように、創業融資に限らず融資に関しては、様々な都市伝説的な
噂話が多くあります。
それらに惑わされないように、正しい情報を基に取り組むことが大切です。

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本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン『起業家・経営者のための「使える情報」マガジン』
から記事を一部抜粋したものです。
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