Vol.255 中小企業等経営強化法の活用メリットとは?

配信日:2016年7月11日

「中小企業等経営強化法」が今月1日(7月1日)に施行されました。

新聞等の報道で知っている方も多いかと思います。
とは言え、具体的にどんな内容の法律で、どんなメリットを受けられるのか
よく分らない。という方も多いのではないでしょうか。

今月8日に公募開始された「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」
の2次公募の事前予告では、中小企業等経営強化法に基づく「経営力向上計画」の
認定を受けた事業者に加点して実施するとの発表もありました
今後、様々な施策にこの法律が絡んでいくことになるのではないかと思います。

今回は、内容を整理し、活用のメリットについてみていきたいと思います。

まず、中小企業等経営強化法の趣旨は、以下の通りです。

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労働力人口の減少、企業間の国際的な競争の活発化等の経済社会情勢の変化に対応し、
中小企業・小規模事業者・中堅企業の経営強化を図るため、事業所管大臣が事業分野
ごとに指針を策定するとともに、当該取組を支援するための措置等を講じます。
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何となく、分りづらいですね。

つまり、日本の抱える大きな課題である、少子高齢化による労働人口の減少や
経営のグローバル化など、経営環境が激しく変化する中において、中小企業の
経営力を強化していくことを目的とした法律です。

この法律に基づいて、「経営力向上計画」という計画を策定し認定を受けると、
機械や装置の固定資産税の軽減や金融支援等の措置を受けることができるという
メリットがあります。

経営力向上計画とは、人材育成、コスト管理等のマネジメントの向上や、
設備投資等により、事業者の「生産性を向上させるための計画」です。
実質2枚の様式に現状認識、目標、取組内容などをまとめて策定します。

当然、認定を受けるためには、定められたハードルを越えられる計画内容に
する必要があります。

中小企業等経営強化法の特徴的な面の一つですが、そのハードルを示す指針は、
それぞれの事業を主管する各省の大臣(主務大臣)です。

主務大臣がそれぞれ事業分野ごとに生産性向上(経営力向上)の方法等を
示した事業分野別の指針を策定します。
つまり、各業種により超えるべきハードルが異なるということになります。

中小企業は、その事業分野別指針に沿って、「経営力向上計画」を作成し、
主務大臣から認定を受けることになります。

晴れて認定を受けられた中小企業は、国からの支援措置を受ることができ、
経営力の向上を図ることができる。という流れになります。

支援措置には、「固定資産税の特例」と「資金繰りを支援」の二つが
挙げられています。以下に具体的に見ていきます。

●固定資産税の特例

中小企業が経営力向上計画に基づき取得する新規の機械装置(新品)について、
一定の要件を満たした場合、3年間、固定資産税を1/2に軽減してくれます。
固定資産税での設備投資減税は史上初の特例であり、黒字企業にしか影響がない
法人税等の減税と違い、赤字企業でもかかる固定資産税が減税されるということは、
大きな減税効果が期待されます。

ここで言う中小企業とは、資本金1億円以下の企業(大企業の子会社除く)です。
※具体的には、租税特別措置法上の中小事業者及び中小企業者が該当します。

対象となる機械装置の一定の要件とは、端的には以下の通りです。

・法施行日(7月1日)以降に取得
・販売開始から10年以内の製品
・価格が160万円以上、
・旧モデルと比較して生産性が年間1%以上向上しているもの

固定資産税が半額になるというのは、資金繰りが非常に助かりますので、
設備を取得する予定のある会社は、活用を検討されると良いでしょう。

機械や設備というと製造業を連想しますが、製造業ばかりではなく、
飲食業や小売業、卸売業、運送業、介護事業などもそれぞれ設備投資が
ありますので、該当するものもあります。

●資金繰りを支援

経営力向上計画が認定されることで、政府系金融機関からの低利融資、
民間金融機関の融資に対する信用保証、債務保証等を受けられます。
具体的には以下の通りです。

■商工中金による低利融資
経営力向上計画を策定した場合、商工中金の独自の融資制度により、
低利融資を受けられます。

■中小企業信用保険法の特例
経営力向上計画の実行(※)にあたり、民間金融機関(銀行や信金)から
融資を受ける際に、信用保証協会による信用保証のうち、通常枠とは別枠で
保証を受けられたり、新事業開拓や海外投進出に関する保証枠が2億円から
3億円に保証枠が拡大されます。
※新商品・新サービスなど「自社にとって新しい取組」(新事業活動)に限ります。

■中小企業投資育成株式会社法の特例
中小企業投資育成株式会社の通常の投資対象は、資本金3億円以下の株式会社ですが、
認定を受けることで資本金額が3億円を超える株式会社でも対象となります。

■日本政策金融公庫によるスタンドバイ・クレジット
経営力向上計画の認定を受けた中小企業者(国内親会社)の海外支店又は
海外現地法人が、日本政策金融公庫の提携する海外金融機関から現地通貨建ての
融資を受ける場合に、信用状を発行して、債務の保証を実施できます
 補償限度額:1法人あたり最大4億5000万円
 融資期間 :1~5年

その他、中小企業基盤整備機構や食品流通構造改善促進機構による債務保証といった
措置があります。

以上、だいぶ長くなってしまいましたが、今月から施行されたばかりの新しい
法律ですが、活用次第で大きなメリットを受けられる可能性がありますので、
自社の状況に応じて活用を検討されてはいかがでしょうか。

計画策定には、認定支援機関のサポートを受けることができ、
弊社でも認定支援機関と連携して計画策定のご支援を承ります。

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本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン『起業家・経営者のための「使える情報」マガジン』
から記事を一部抜粋したものです。
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