Vol.253 取引銀行の選択

配信日:2016年6月8日

経営者や創業準備者の方々からよく聞かれる質問の一つに、
融資を受ける際にお勧めの銀行はどこですか?というものがあります。

中小企業にとって銀行選びはとても大切なことです。
資金調達をする際に最も頼る先が銀行(信金)であり、会社の成長に大きな
影響を与えるからですね。

今日は、以前にもこのテーマで書いたことがありますが、
銀行選びのポイントについて改めて書いてみようと思います。

漠然と銀行選びをするのではなく、自社の業歴や売上規模など企業規模に
見合った銀行の選択をすることはとても大切なのでぜひじっくりお読みください。

まず、創業期(創業から3年目くらいまで)の会社さんであれば、
創業融資を受けた日本政策金融公庫と地元の地方銀行、若しくは信用金庫と
取引をしていることが一般的です。

身近な大きな銀行として三菱東京UFJ銀行やみずほ銀行、三井住友銀行といった
いわゆる「メガバンク」を選ぼうと考える方もいらっしゃいますが、創業期では、
メガバンクと付き合うのではなく、地元の地銀、信金と信頼関係を築くように
取引することをお勧めします。
(※ここで言う取引とは融資取引のことです。)

取引金融機関の数は、地元の地銀や信金の1~2行と日本政策金融公庫といった具合で
2行~3行とのお付き合いで十分です。
逆に、1行としか付き合わないということも避けるべきです。
窓口が一つしかないというのはリスクがありますので、複数の金融機関とお付き合い
することをお勧めします。

業歴を重ね、会社が成長し、年商が5億円を超えてくる規模の会社は、
もう1~2行取引金融機関を増やし、3~5行程度との取引が適当です。

売上規模が大きくなると、成長のための設備資金や運転資金として
融資を受ける頻度も増え、一回当たりの融資金額も大きくなります。
しっかりと金融支援を受けられるように、融資取引バランスをきちんと考え、
メインバンクをはっきり定めた方が良いでしょう。

業績の好調な会社に対しては、メガバンクが好条件の融資を提案してくる
こともあります。
そろそろメガバンクとの付き合いも検討し始めるべき頃ではありますが、
これまで付き合ってきた地元の金融機関との関係にも気を配って
バランスの良い取引を心がけてください。

メガバンクからとても低い金利で提案を受け、既存の融資を全て
切り替えてしまったという例を聞くことがありますが、
業況が良い間は、大きな支障はありませんが、状況が悪くなった時には、
この判断が厳しい状況に追い込む結果となることもあります。
いざという時に、メガバンクは冷たく、元々取引をしていた地銀に
救いの手を求めても、あとの祭り。ということは珍しくありません。

中小企業は、基本的には地銀や信金との取引を中心にしていき、
メガバンクはサブ的な位置づけで取引を行う方が良い傾向にあります。

年商が10億円を超える規模の場合であれば、メガバンクともしっかりと
お付き合いをしていくことを考えると良いです。
その他、政府系金融機関でも比較的大きな案件に対応する商工中金や
日本政策金融公庫の中小企業事業(旧中小公庫)との付き合いを深める
ことも有効です。

商工中金や日本政策金融公庫中小企業事業(旧中小公庫)は低金利かつ、
固定金利で融資をしてくれますので、大きな金額の資金調達の際には、
とても心強いです。

金融機関選びの際は、当然のことかもしれませんが、どの銀行が借りやすいか。
ということに注目する方が多くいます。

その時その時に、どの銀行(信金)は積極的だとか、消極的だとかある程度の
情報がもちろんありますが、その状況は永遠に続くわけではありません。
金融機関自身の状況によって積極的だったり消極的だったりしますし、
同じ金融機関でも各支店によってスタンスに違いがあったりします。

借りやすい、借りにくいという点よりも長期的な視野で見て、
健全で安定した金融機関とお付き合いすることも大切です。
取引銀行が破綻した、吸収されたなどとなると、当然影響を受けますので、
財務内容の良い金融機関を選ぶことも大切です。

財務内容については、各金融機関がホームページなどで公表していますが、
複数の金融機関の情報を確認する際は、金融庁のホームページが各金融機関の
情報をまとめた資料をダウンロードすることができてとても便利です。
預貸率、自己資本比率、不良債権比率に注目して見てみると良いでしょう。
http://www.fsa.go.jp/policy/chusho/shihyou.html

・預貸率:預金に対してどれだけ貸し出しが行われているかの比率を示します。
     貸出のスタンスを図る一つの指標になります。

・自己資本比率と不良債権比率:銀行の健全性、安全性を測る指標です。

以上、ぜひ参考にしてみてください!

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本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン『起業家・経営者のための「使える情報」マガジン』
から記事を一部抜粋したものです。
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