Vol.239 リスケ後に経営改善を成し遂げて正常化する会社

配信日:2015年7月7日

先日、去年まで顧問契約でお付き合いをさせていただいていた会社の
社長さんから久しぶりにメールを頂きました。

そのメールにはとっても嬉しいことが書かれてました!

その会社さんとは、事業再生の取り組みで関与させていただいていたのですが、
この度、返済が正常化し、保証協会から新たな保証を受けられたとのご報告でした。

文末には、私の支援のおかげです。と書いてくださり、
また、久しぶりに飲みに行きましょう。とのお誘いもありました。

こうしたご報告は本当にうれしいしいです!

この会社とお付き合いが始まった当初は、資金繰りが厳しく、銀行への返済を
続けられない状況にあり、すぐに経営改善計画書を作成して、取引銀行に元金を
据え置き、つまり、一定期間返済をストップして、利息のみの支払いという
条件変更(リスケ)をしていただけるようにお願いに行きました。

リスケにより、一定期間の資金繰りの安定化を図り、作成した経営改善策の実行と
資金繰り管理の徹底を続けていったのですが、この度、晴れてリスケを卒業し、
正常化したのです。

メインの取引先の信金さんからは、その支店では元金を据え置くリスケを
した会社で正常化した初の会社だとのお言葉を頂いたそうです。

こうした話は、実は私はよく経験しており、現在の顧問先の中にも
取引銀行や信金から支店内で初のリスケ卒業や行内で一番の改善度だと
いうお言葉を頂く会社が多いです。

おそらくですが、事業が厳しい中、コンサルフィーを払ってまで事業再生に
取り組む会社は全体から見れば少ないのでしょう。

そうすると、取引銀行から言われるままに経営改善計画を作ることになります。
その計画書は、何の根拠もない数字が並べられ、行内稟議が通りやすいという
銀行側の都合で作られた内容になっていることが多いのです。

当然、そのような経営改善計画では、実行されることはありませんし、
正常化などよほどその会社に底力がなければ成し得ません。

そもそも、計画書作りは、極端に言ってしまえばたいした意味はありません。
計画づくりよりもその計画を遂行するための実行支援が何よりも重要なのです。
もちろん、実行するために計画は絶対に必要なのですが。

実際、私のお客様の中にも私が関与する前に社長が銀行にリスケの依頼を
したところ、たくさん嫌味を言われた後に支店長が「うちが面倒見るから
安心してください」と言われたにも関わらず、その後何もしてくれずに、
他の取引行から再三の呼び出しであっちに行って、こっちに行ってと、
金融機関への説明に奔走する羽目になり、その間まったく本業の仕事が
できなかったという方がいらっしゃいます。

政府は金融機関にコンサルティング機能の発揮を要請していますが、
現実的に銀行員の方にそれを求めるのは酷です。

決して能力がないという意味ではありません。
むしろ、学歴も高く優秀な方が多いと思います。

彼らは、ただでさえ通常業務で大忙しであり、新規融資もできない
再生フェーズの会社の面倒を見たところで、まったく人事のポイントに
繋がりません。

したがって、そういった仕事はすべて後回しなのです。

銀行によっては、事業再生を専門に扱う部署があり、専門の行員がいますが、
多くの場合、少数部隊であり一人当たり何十社も担当しています。
当然ですが、一社一社丁寧に対応する余裕などありません。

こういったことから、よほど組織がしっかりしていて事業に強みがあり、
財務担当の社員がいて社長もある程度の財務知識を持っている会社。
さらには、自ら改善活動を確実に実行できる力がある会社でない限り、
中小企業が自力で事業再生を成し遂げるのは困難を極めます。

一度リスケした会社は、リスケした時点では資金繰りが楽になりますが、
だんだんとその状態が普通になります。

「喉元過ぎれば熱さ忘れる」とは、人間の本質を突いた言葉です。

多くの会社は、一番肝心な経営改善活動を怠り、さらにジリジリと
業績が悪化していきます。
そして、リスケで楽になったはずの資金繰りが再度苦しくなります。

このような、負のスパイラルにはまる中小企業が多いため、
リスケした後に正常化する会社の割合は、相当に低いのでしょう。

先のメールをくれた社長さんは、さらにこう続けました。

厳しい経営環境であることはいまだ変わらず、脆弱な財務体質であり
とても安心できる状況ではありません。
まずは、さらなる課題を一歩一歩クリアして、次なるステージへ
上っていきたいと思います。

再生を成し遂げる会社の社長さんの考え方は、まさにこうあるべき
なのでしょう。
きっとこの社長は、完全なる復活を成し遂げると信じています。

本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン『起業家・経営者のための「使える情報」マガジン』
から記事を一部抜粋したものです。
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