Vol.235 中小企業の経営環境

配信日:2015年5月14日

政府の経済対策の効果や2020年の東京オリンピック効果により、
何となく景気回復しているような感じもありますが、中小企業の現場では、
「景気回復の実感はない」と答える経営者が多く、むしろ円安が影響して、
原材料が値上がったり、電気代が上がったり。。。

それを価格転嫁したくても消費税の増税も影響して販売先からは、
逆に値下げを迫られる始末といった具合で、業況は厳しくなる一方だという
経営者も多くいらっしゃいます。

円安の恩恵を十分に受けているのは、大企業や輸出を伴う企業が中心で
中小企業の多くは、なお厳しい環境であると言えます。

政府も中小企業向けに様々な支援施策を実施して景気回復に取り組んで
いますが、なかなか十分な効果を発揮できていません。

私の顧問先企業を見ていても、円安による原材料の高騰が影響して
利益確保が難しくなってきています。

また、大きな問題の一つとして、人材確保の面で苦労しています。
その理由の一つに、大手メーカーの国内生産の増加に伴う雇用拡大等が
影響しています。

大企業に比べ、どうしても雇用条件、環境の劣る中小企業は、
優秀な人材確保が本当に難しくなっていると実感します。

このように挙げていくと悪いことばかりのような感じですが、
もちろん、良い面もたくさんあり、どの角度からフォーカスするか
によって話は全く変わってきますが、中小企業経営の側面から見ると
厳しい環境はなお続いているというのが現実かと思います。

そのような中、円安の影響で利益率が下がり、資金繰りに懸念が
出てきている会社は、なんとか資金繰りを安定させたいと考えている
と思いますが、たとえば、「円安対策 融資 都道府県名」といった
感じでインターネットで検索すると、各自治体による円安対策の
融資制度や各金融機関独自の融資制度が出てきます。

こういった融資制度も活用しながら資金繰りを安定させたうえで、
抜本的な改善策、打開策に取り組むことが必要でしょう。

また、以前もこのメルマガでお伝えした通り、決算申告を迎えることで
消費税増税による消費税の納税額の増加の影響が出る会社が増えます。
ちょうど今月は3月決算の会社の申告月ですが、増税による負担増を
実感している経営者も多いのではないでしょうか。

早い段階から顧問税理士等とコミュニケーションを取って資金繰り対策を
取ってきている会社は良いですが、そうでない場合、納税資金が足りない!
という会社も多いのではないでしょうか。

できれば、定期積金などを利用して、毎月一定額を積み立てて、
納税資金を確保するように対策をとるべきです。

とはいえ、このタイミングではもう間に合いませんので、
どうしても足りない場合は、どこからか資金を調達してくるか
税務署に分納のお願いをして資金繰りを付けていくしかありません。

銀行等には、納税資金に対応した融資がありますが、
実は、預かり金の性質の強い消費税や源泉所得税は対象となりません。
対象となるのは、法人税や法人事業税などです。

税務署に分納をお願いする場合は、できれば2ヶ月以内に完納したいところです。
延滞税の割合は、納期限から2ヶ月は率が低いですが、2ヶ月を過ぎると
とても高くなります。

ちなみに今年の場合で言えば、納期限の翌日から2ヶ月を経過する日までの
期間は2.8%、2ヶ月を経過する日の翌日以後については9.1%です。

消費税の増税により、消費税の滞納者が増えることが予測され、
税務署の対応も厳しくなると予想されるので、日々の資金繰り管理は
これまで以上にきちんとやっていく必要があります。