Vol.224 経営改善が進む社長と進まない社長の違い

配信日:2014年9月12日

私は、事業再生コンサルタントとして、これまでの多くの中小企業の
経営改善のお手伝いをさせて頂いてきましたが、その中でも、
うまく改善が進む会社と、一向に進まず、むしろ悪化していく会社が
あります。

その違いは何なのかと考えてみると、やはり社長や幹部の考えや行動に
違いがあると感じています。

もちろん、ビジネスモデルの問題や業界全体的な問題、経済環境の影響など、
様々な要素が影響するのは当然ですが、それでもやはりトップの行動が
大きな違いを生んでいると思います。

例えば、経営改善計画を策定した後に、その計画を何が何でも実行し、
達成しようと強い信念の持って行動される社長の会社は、
スピードの差はあれど、良い方向に向かっていく傾向にあります。

私のクライアントの社長さんは、このように考えて行動される方が
多いですが、こういう考えの社長であれば、社員も社長に引っ張られて
頑張りますし、お手伝いしている私としても、全力で支援しようと、
俄然やる気が出ますので、全体的に良い雰囲気になっていきます。

一方、銀行を説得するためだけに作ったのだとばかりに、
作っただけで、その計画内容もすぐに忘れ、行動しない社長の会社は、
一向に良くなりません。

このような社長は、しまいには計画を作ること自体が無駄であると
考えだします。
計画を作っただけで、良くなるはずはありません。
最も重要である、その計画に沿って行動することをせずに、
原因をすり替えてしまう社長の会社は、当たり前ですが良くなりません。

通常、銀行にリスケを行った場合は、それ以降の新規融資は、
基本的には望めません。

リスケを行うならば、自社のキャッシュフローで何としてでも
資金繰りを回していくという、確固たる覚悟が必要です。

その覚悟ができていない社長は、すぐにどこからか借りて来れないかと
考えだし、貸さない銀行を批判し、返す当てもないのに高い金利で
調達しようとしたり、深く考えもせずに知合いや親族から借りてきて、
迷惑をかける範囲を広げてしまいます。

返済のあてがある場合で、短期的につなぐ場合であれば良いのですが、
出口のない借入をそういった形でしてしまっては、傷をさらに広げる
だけで、何の解決にもなりません。

また、決定的に両者の差として感じるシーンは、社員に対する
考え方です。

改善が上手くいく社長は、厳しい環境にありながらも自社の社員を
信じ、感謝しています。
その社員とその家族のために何としてでも、立ち直ってみせる!
と、強い信念を持って行動されます。

社員もそれに呼応するように頑張って仕事をしてくれます。
減給されていたり、ボーナスがカットされているような状況で
あるにも関わらず、自分個人のことより会社のことを考えて
行動するような素晴らしい社員がたくさんいらっしゃいます。

一方、改善が進まない社長は、社員に対して諦めています。
社員に対する批判的な言葉が多く、社員を信じていません。
それどころか、経営悪化の原因だと考えています。

もちろん、経営悪化の原因の一つに社員の士気の低下や裏切り行為が
ある場合もたくさんありますが、実は、その原因はやはり社長自身
にあるのです。

社員と本気で向き合うこともせずに、自分から避け、
遠ざけてしまった結果であることが多くあります。

自分を信じていないトップのもとで頑張れる社員はいません。
優秀であればあるほど、早々にその会社を見限り辞めていきます。
そうすると、組織力があっという間になくなり、さらに状況が
悪化していきます。

重要なポジションにいる社員が会社を去ろうとする際にも
「去る者追わず」が格好良いと考えているのか、引き留めることもしません。
その方の存在が経営改善に欠かせないはずなのに。

本気で改善を考えているならば、その方に対して、自分の考えを
腹を割って話し、一緒に立て直して、未来を共有しよう。と説得する
はずなのですが。

自分をさらけ出して、結果的に見限られたように去って行かれることが怖く、
格好悪いと考え、そうした行動をとらない社長もいらっしゃいます。
恥もプライドも捨てなければならない状況にあるにも関わらず。

改善がうまく進む社長の特徴は、決断が早く、行動力があり、
社員との関係を大切に考えています。

中小企業は、なんといっても社長次第である面が強いです。
野球で言えば、監督であり、エースピッチャーであり4番バッター
である社長。やることが多くて、時間がいくらあっても足りない
状況にあるとは思いますが、経営改善を行う際は、ぜひ、全ては
自分次第であることを、強く意識して取り組んで頂きたいと思います。

本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン『起業家・経営者のための「使える情報」マガジン』
から記事を一部抜粋したものです。
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