Vol.223 在庫や機械設備を担保に融資を受ける(動産担保融資)

配信日:2014年9月2日

前回、売掛債権担保融資についてお伝えしました。

おさらいになりますが、中小企業が銀行から資金を借り入れる際には、
基本的に何かしらの担保(物的担保・人的担保)が必要となります。

銀行にとって、融資金が貸倒れることは極力避けたいことですので
債権の保全を図る手段として連帯保証人(人的担保)を取ったり、
不動産などを担保(物的担保)に取ったりして、より安全に融資をしようと
するわけですね。

ここ最近の金融情勢としては、担保に対する考え方も様変わりしつつあります。
これまでのように連帯保証人や不動産担保に頼った融資では限界がある中、
債権や在庫などの動産の価値を評価して担保とすることや、そもそも担保に
過度に依存しない融資の推進を行うなどを進めています。

そういった流れの中、ABL(Asset Based Lending)と言われる、
動産や債権を担保として行われる融資もここ数年で広がってきました。

今回は、売掛債権と同様にABLの代表的な担保対象資産であり、
広く活用されることが期待されている在庫や機械設備を担保とした
融資についてお伝えします。

中小企業の貸借対照表の「資産の部」を見てみると、
金融機関が担保として好む不動産よりも圧倒的に動産や売掛債権で
あるのが実態でです。

特に製造業等は、機械設備を多く所有していますが、この資産を
ファイナンスに活かせているケースは少ないでしょう。

また、同じく製造業には、原材料という資産も多くあります。
卸売業や小売業であれば商品在庫をたくさん所有してます。

このような資産をファイナンスに上手く活用することができれば、
現在の資金調達の幅を大きく広げられる可能性が高まります。

在庫や機械設備等を担保とするスキームは、主に在庫や機械設備等を
譲渡担保に設定するために動産譲渡登記を行うことで対応します。

動産譲渡登記は、担保となるモノの所有権が債権者に移転しますが、
質権と違って担保とするものを債権者に渡さずに、手元に置いておくことが
できます。

したがって、在庫であれば販売したり、原材料であれば製造に使用したり
できますし、機械設備等であればその会社が使用し続けることができますので、
非常に使い勝手が良い方法と言えます。

また、生き物でも担保にすることができます。たまに畜産業者が牛や豚を
担保に融資を受けたと言った報道がされることがあるので、聞いたことが
あるのではないでしょうか。

担保として十分な評価がされるかどうかのポイントは、
やはり流動性(換金性)です。

いくら高価なものでも、それが万が一の際に処分することが
できなければ債権者としては十分な債権保全ができません。

したがって、その会社独自の機械設備やシステムなどで他の会社では
使うことが困難なものの場合は、担保として評価することができず、
融資もしづらいということになります。

銀行による実績は、担保評価の問題や管理の問題などがネックとなり、
まだまだ少ないのが現状ですが、今後広がりを見せていくものと期待
したいところです。

ノンバンクの中には独自のノウハウを確立し、
積極的に取り扱っている会社もあります。

また、動産担保融資とはちょっと違うのですが、同じく動産を使った
ファイナンスとして、リースバックという形でも行われたりします。

例えば、トラックなどの商業車は換金性の高い資産の一つですが、
リース会社はリースバックという手法によって資金提供を行ったりします。

リースバックとは、自社の保有する資産をリース会社等に売却し、
その後、同一資産をリース契約して使用する手法です。

運送会社などは、高価なトラックを何台も所有しているケースが
ありますので、そういった資産を現金化する方法としては有効な手段です。
もともとリースで使っている場合は、もちろんこの方法は使えません。

本記事は、赤沼慎太郎発行の無料メールマガジン『起業家・経営者のための「使える情報」マガジン』
から記事を一部抜粋したものです。
メルマガの購読はこちらからお申込み頂けます。